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日本一売れてる絵本『いないいないばあ』赤ちゃんが笑う驚きの理由

笑顔は“予測”から?赤ちゃんを魅了する展開

 誰もが知っている遊びを絵本にした『いないいないばあ』。非常にシンプルなつくりの本ですが、赤ちゃんが笑う理由には赤ちゃんの脳の発達、特に “予測する能力”の発達が深く関わっています。  生後9か月くらいになると、いわゆる「人見知り期」に入りますが、これは予測する能力が発達してきた証拠。すると、いつも聞いているママやパパの声で「ばあ」と呼びかけてもらいながらページをめくっていくうちに、赤ちゃんは「次に何が起こるか」を脳内で予測するようになります。そしてその予測のとおりになると、不安から安心へと気持ちが変化し、赤ちゃんが笑うのです。  言い換えると、予測できない場面に直面すると、赤ちゃんは人見知りや場所見知りを示します。見知らぬ誰かが、 “いないいないばあ”をやっても、赤ちゃんは最初は笑わないでしょう。なぜならこの時期の赤ちゃんにとって、知らない人からの働きかけは予測が難しいからです。しかし、知らない人と『いないいないばあ』を読んで、その経験を積み重ねていくことで、その人の声や表情が絵本と結びついて記憶されていきます。

赤ちゃんを惹きつけるシンプルな構成

目のコントラスト

目のコントラストがはっきりしている

 この絵本の特徴のひとつに、白目と黒目のコントラストがはっきりしていることがあります。  生まれたばかりの赤ちゃんでも、白目と黒目のコントラストに反射的に注意を向けることが知られています。赤ちゃんは「ばあ」のページで、とくに目に注意を向けているはずです。  また日常生活の中に溶け込むようなやわらかく温かいタッチ、色刺激が強すぎない日常場面で目にする質感に近い色彩で描かれていることも、赤ちゃんが顔に注意を向けやすい一因になっていると思います。  一方で、全体的にはやわらかく温かい質感・色彩で描かれていて、強い刺激となるような色が使われていません。また、動物キャラクターの背景が白く設定されているため、赤ちゃんがキャラクターの顔や目に注意が向けやすくなっています。  さらに、眼球運動が十分に発達していない赤ちゃんため、絵の配置にも工夫が凝らされています。この本では「いないいない……」と「ばあ」のページで、絵の配置が左右に入れ替わっています。赤ちゃんが動物を見ながらめくられるページを追いかけていくと、そのまま次ページの動物へと視点が移動するのです。目を大きく移動させなくてもすむので、注意力が長く続きます。
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育児に不安を感じたら、この絵本をそのまま読んでみて
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