育児に不安を感じたら、この絵本をそのまま読んでみて
核家族化が進んだ現代社会。「孤育て」という言葉もあるように、孤立した状態で育児に陥っている親も多く、子どもにどう接したらいいかわからないという悩み・不安が大きくなっていると思います。
そんな方は、まず『いないいないばあ』をそのまま読んでみてほしいです。そのやりとりをお子さんと共有することで、親子ともに笑顔が出てくることでしょう。
なぜなら、この本には赤ちゃんに語りかけるような言葉が散りばめられているから。著者の松谷先生はご自身の育児経験にもとづいて、この本の言葉を選ばれたのだと思いますが、赤ちゃんに語りかけるような言葉になっています。自身が子どもに投げかけた言葉、それによって子どもが笑顔になったときの喜び……そんな経験がこの本に反映されているのだと感じます。

読み聞かせのなかで気持ちの良い感覚が湧き立つ
親は読み聞かせと同時に、赤ちゃんの手を触ってあげたり、ぎゅっと抱きしめてあげたりと、スキンシップをしています。ヒトを含むほ乳類動物は、スキンシップによって「心地よい感覚」をわきたたせる身体の仕組みをもっています。これは身体を優しく接触させることで、“オキシトシン”という内分泌ホルモンが脳内から分泌されるからです。
脳がもっとも発達する乳児期に、親と身体を接触する機会を豊かにもつこと。これが、人とのコミュニケーションに心地よさを感じる経験になり、
将来、親以外の他者と安定した対人関係を築くための土台となります。
昨今の新型コロナウイルスの影響によって変化する日常が赤ちゃんの脳と心の発達にもたらしうるリスクについても危機感を持っています。ヒトは顔らしい刺激に特化して活動する神経細胞をもっていますが、それを働かせるには、日常場面で多様に「動く」顔(喜怒哀楽といった表情)をたくさん見る経験が不可欠です。
豊かな表情で声かけを行いながら、絵本を読む中で 積極的にコミュニケーションをはかってもらいたいです。マスク着用で口の動きが覆い隠されることが当たり前となりつつある今だからこそ、赤ちゃんにとってそうした機会が重要となるでしょう。
<文/女子SPA!編集部>