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1年前に出会った猫がボロボロで現れた…亡くなっても大好きな愛猫・小太郎

日課は玄関での“見送り”

 病気もニャン生も背負う覚悟で迎えた、小さな命。小太郎くんは飼い主さんの想いを感じ取っていたのか、最初から全力でおうちに馴染もうと頑張ってくれました。 「実は家族になる前には玄関先で、うちでは飼えない、いや、入れてくれの攻防が1か月ほどあり、私たち家族が折れたんです。外にいるときからかわいい子だったけれど、家猫になってからは顔つきが穏やかになりました」
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すっかり甘えん坊な家猫に

 甘えん坊になった小太郎くんは寝る時に腕枕をしてもらったり、専用の枕を用意してもらい、川の字ならぬ「り」の字で眠ったりしていたそう。 「ひっつき虫で、よく喉を鳴らしながら脇腹をふみふみしてくれた。忘れられない幸せな時間です。絶対に人を噛んだり威嚇したりせず、猫が怖かった私の母と息子を猫好きにしました」  息子さんが学生の頃には朝早くから玄関のプランターの上に座り、登校する子や出勤する人たちを見送るのが小太郎くんの日課に。 「遅刻しそうな子まで見送ると、家の中に入り、ご飯を食べて寝ていました(笑)」 「小太郎、おはよう」とたくさんの人たちから声をかけてもらい、1日が始まる。それは、野良猫として長年生きてきた小太郎くんにとって、この上ない幸せだったのかもしれません。

穏やかな日々が「消化器型リンパ腫」で一変

image9 ところが、おうちで暮らし始めて6年が過ぎた頃、突然、血尿が。飲み薬と注射で回復してきた矢先、急にぐったりし、入院することに。翌日に手術をし、消化器型リンパ腫だと診断されました。  術後の経過は順調だったもののその後、再び腫瘍が見つかり、抗がん剤治療を開始。数種類の抗がん剤を試したものの、どれも合わず、6kg近くあった体はみるみるうちに痩せていきました。 「毎日の通院に連れていくことと強制給餌くらいしかしてあげられなくて……。食いしん坊だったので、食べたくないと鳴くのはとても辛かったです」 image2 それでも、トイレはギリギリまで自力で行きたがったため、飼い主さんは介助をしたり、トイレの段差をなくしたりとサポート。やがて、通院時の負担を減らすため、自宅で点滴を行うようにもなりました。
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ドタバタな日々を通して学んだ「動物の守り方」
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