一国民として、私たちが税金を納めて良かった、と思えることはありますでしょうか?
「今ですと、コロナ政策の給付金は全部税金でまかなわれているので、目に見える形で税金が役立っているとわかります」
受け答えにまじめで誠実な人柄が表れているGさん。税務署職員は日頃の生き方にも規範が求められるようです。
「何か事件を起こしたら、民間の会社よりも厳しくて完全にクビになります。
5000円でもチップをもらうと新聞沙汰に。犯罪を犯したらマスコミにかき立てられてしまいます。税金を扱うのできっちりしていないと。悪いことはできません。より一層倫理観を求められる仕事だと感じております」
Gさんは「襟を正して生きていかなければならない」と自分に言い聞かせるようにおっしゃいました。
金品の授受は基本NGだそうで、この日手土産を持ってきていたのですが、そのせいで失職したら申し訳ないので渡さずにしまったままに……。
ところで税務署職員はモテるのでしょうか? 収入など手堅いですが……。
「とくにそういったことはなかったです。税務署以外の人と交流する機会も少ないですからね。職場内結婚が多いです。
あと初対面の人に職業を聞かれたとき、税務署とは言わないことも。探っているんじゃないかと思われますからね」
と、おっしゃる謙虚なGさん。たしかに今回税務署の方との雑談で「最近会食は減っていますか?」と聞かれたとき調査の一環かと思ってドキッとしました。会話しているだけで人をドキドキさせる存在です。それが吊り橋効果的に恋愛感情と錯覚させることもありそうです。
一見ソフトな雰囲気ながら内面はやはりまじめでストイックだった税務署男子。この原稿の、e-Tax関連の記述の事実確認のためファックスやメールをやりとりしたのですが、漏洩を防ぐため、データ送信前、在宅確認の電話を受けたり、本題に入る前に「テスト送信」のメールの送受信が必要だったり、かなり厳密で、彼らになら税金を任せても安心だと実感しました。