愛菜さんの偉いところは、すぐに行動するところです。ご相談の後にすぐにシェアハウスを調べて、見学に行きました。幸い、彼女のご両親は「やっと自立しようとしてくれて嬉しい」と快く送り出し、引っ越しも手伝ってくれたそうです。なんと、デートドタキャン事件から1か月ほどで一人暮らしスタートさせました。
家賃が出ていくと思うと、今まで気軽にしていた1000円のランチ代がもったいなく感じるようになりました。同僚はほとんど実家暮らしで、仕事帰りにカフェに立ち寄るのも当たり前。愛菜さんは、彼女たちの誘いを少しづつ断るようにしました。
頻繁に行っていたランチを断るように
そうすると、不思議なことに実家暮らしの時よりも月末にお金が残るようになったのです。その後少しずつ自己管理ができるようになった愛菜さん。先日参加した婚活パーティーで知り合った、不動産会社勤務の年上の男性から告白され、ついに彼氏ができました。愛されセレブ妻セミナーに行こうとしていた日から半年以内に彼氏ができたのです。
よく女子会をしていた同僚達に彼氏ができたことをすぐ報告しました。そこで問題が発生します。デートでドライブに行った話をした時に、彼氏の車の車種を聞かれたそうです。彼の車は軽自動車でした。
そうして愛菜さんはまた相談に来ました。
「軽自動車に乗っている彼氏より、もっといい男性がいるんじゃないのって言われたんです。いい人だし、優しい人なのに……どう思いますか?辞めた方がいいんでしょうか?」
「軽自動車なんて、金銭感覚がしっかりしているいい人じゃない。同僚の方の嫉妬なのでは?気にしなくて大丈夫ですよ」
職場の同僚たちは、乗っている車や持ち物など、スペックで男性を判断するようでした。愛菜さんにとってその環境はプラスではないと判断し、正社員で働けるところに転職することをお勧めしました。
転職活動3か月の末、不動産会社に就職します。人見知りしない性格が営業に向いていたのでしょう。遊びもデートも控えて猛勉強の末に、宅建も一発で合格しました。セレブ妻になろうとしていた年収200万円台の女性は、1年後に月収30万円の正社員になっていました。
「新しい職場には、実家暮らしの人は一人しかいないんです。環境が変わるとこんなに価値観も変わるのですね。『自分と同レベルの人としか上手くいかない』本当にその通りだと思います。自分が変わるのが一番の近道ですね。今の同僚には、セレブ妻セミナーに行こうとしていた過去なんて恥ずかしくて言えません」
人はこんなにも変わるものなのですね。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:
@koakumamt