浄水器で50万円ぼったくられた義母。“健康セミナー”でダマされる人たち
振り込め詐欺をはじめ、さまざま詐欺や怪しげなビジネスのターゲットにされている高齢者。なかでも昔から多いのが、ありもしない効能を謳って高額な機器や健康食品などを売りつける、健康商法とも呼ばれる悪徳商法です。
山村弘子さん(仮名・35歳)の姑も数年前、「身体にいい」と言われて高額な浄水器を購入してしまったそうです。
「ウチからは少し離れていましたが、ときどき子供を連れて義実家を訪ねていたんです。ある時、『この前、浄水器を買ったのよ~』ってうれしそうに話し始めたんです。
でも、お義母さんの口から飛び出したのは、『この水を飲むと、病気にかかりにくくなる』や『身体が浄化される』といったいかにも業者の受け売りっぽいうさんくさいフレーズ。本人も身体の調子が良くなったと話すので流しに設置していた実物を見せてもらいましたが、どこからどう見ても普通の浄水器でした(苦笑)」
当時、姑はすでに70代前半。まだ老け込むには早い年齢ですが、舅をその2年前に病気で亡くしており、それからはあまり元気がなかったとか。弘子さん夫婦は同居を申し出ましたが、家を離れたくないと拒まれたので、たまに顔を出していたそうです。
「しかも、値段が50万円と聞き、無理矢理にも同居するべきだったと後悔しました。私の家にも浄水器を付けていて、買うときにいろいろ調べたので多少は知っていますが、これは高すぎます。お義母さんがどこかの悪徳業者にダマされて、ぼったくり価格で買ったのは明らかでした」
ただし、そのことをここで本人には指摘できませんでした。
「事実を知ったらショックを受けてまた落ち込んでしまうと思ったからです。それにこの時点で契約解除が可能なクーリングオフ期間はとっくに過ぎていました。
ですが、今後も同じような何か買わされたり、ダマされる可能性はあるじゃないですか。そこでまずは夫に事情を説明し、どうするか一緒に考えようと思ったんです」
ただの浄水器を「身体が浄化される」と信じて購入
50万円でボッタクリだが義母には言えなかった

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