「普段なら熱くて10分以上は入れないのですが、たくさん泳いで体が冷えていたんだと思います。それに深夜帯でだれも人がいなかったから、ごろんとマットの上に横になって軽く眠ってしまったんです。そしてちょっとうたた寝をして、時間を確認するために起き上がろうとしたら……
体がまったく動かなくなっていました。ほんと、あの感覚は恐怖です」

その原因はズバリ、脱水症状。
水中でも体の水分は汗となって出ていきます。それに飯田さんは遠泳中もろくに水分補給をせずに、そのまま長時間サウナへGO。サウナ室での睡眠は場合によっては動けないだけでなく、声も出せないほど重度の脱水症状におちいる可能性もあるそうです。過去には有名人がサウナ室で脱水症状を起こし、救急搬送されたという報道もありましたね。
「ヤケになっているとはいえ、今思い返すだけでゾクっとします。そのときはたまたま見回りの女性スタッフさんが声をかけてくれて助かりましたが、運が悪ければ『失恋してヤケ泳ぎして、挙句の果てにサウナ室で失神!』……それどころか、命を落とすという最悪の事態になっていたかも。友達には笑われましたが、正直笑えないですよね」
襲いかかる負のスパイラル。そのままインフルエンザに感染
さらに弱り目にたたり目、一難去ってまた一難、飯田さんの不運は続きます。
「ジムでは、水分を補給して休ませてもらって少し回復しました。ただ、失恋のショックであまりごはんを食べていなかったので、栄養不足のところに脱水症状+遠泳で体を酷使しすぎて、もはや免疫力ゼロの無防備状態。そのタイミングでどこからかインフルエンザをもらってしまって、次の日の夜には一気に熱が39度まで爆上がり。コロナじゃなくて本当によかった。でも食糧もないし、こんなときだし、彼氏はもういないし……ねえ」

取材をしながら脳内で、大黒摩季さんの『ら・ら・ら』が流れてきました。切ない話です。飯田さんは高熱でろくに動けず、家事すらできません。汗をかいて何度も着替えるので洗濯物は大量にたまるし、洗っていない食器もどんどん積み重なっていきました。