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YouTuberに少女が裸画像を送信…マホト事件で考える、子供のSNS被害を防ぐには

被害にあうのは“真面目”な子どもたち

ネット犯罪 マホトの事件だけでなく、SNSを通じて未成年の少年少女が犯罪被害にあうケースは増加している。2020年3月12日に警察庁が発表した報告によれば、2019年1年間で2082件にのぼり、過去最悪となった。  2019年2月にはSNS上に「私を殺してくれる人はいませんか」とつぶやいた女子中学生(当時15歳)を神奈川県厚木市の自宅に連れ込み、複数回首を絞めて殺害しようとしたとして派遣社員の男(当時43歳)が逮捕された。  また、2020年9月には小学校5年の女児が動画投稿アプリ・TikTokを通じて知り合った東京都府中市の派遣社員の男(34)に連れ去られ、ホテルでわいせつ被害に遭い、男が逮捕されるなど、未成年がSNSを通じて被害にあった事件の報道が相次ぐ。被害のきっかけとは何なのだろうか。 「被害にあう子どもたちを見ていて感じるのは、根本的には真面目だということです。SNS上で見ず知らずの人間から何度もメッセージを送られたら、普通はおかしいと思って答えない。でも、申し訳ないからと相手に合わせてしまうケースがあるようです。ですが、たとえ『興味ありません』という返事でも、一度返してしまえば、相手の思うつぼです」  そして、子どもたちの立場を利用し、言葉巧みに自らの要求を通そうとするのだという。 「府中市の事件で女の子は男からの誘いを一度は断っています。拒否された後、男が『会わないと家の前にいって死んでやる』と脅し、それがきっかけとなって一緒にホテルまでいったそうです。子どもにとって学校と家、塾や習い事の教室くらいまでの狭い範囲が“社会のすべて”です。そこで悪評が立つのは一大事。『もう生きていけない』と思ってしまっても不思議ではありません。誰にも知らせず自分で問題を片付けたい。そう思ってしまうのではないでしょうか。  また、TwitterとInstagram、TiktokやYouTubeとLINEのように複数のSNSアカウントで相手とつながっていることが多いです。片方のSNSでは匿名でも、もう片方はプライベートな情報とつながっている場合もある。相手に知られれば余計に逃げ場がなくなってしまいます」

被害を防ぐのはネットリテラシーだけではない

 被害を防ぐためにどうすればいいのだろうか、必要な知識は何も“ネットリテラシー”だけではないという。 「今の子どもたちは小さい頃から親のタブレットやPC、スマートホンに触れている世代です。初めてスマートホンを持つ時期も早くなり、小学校高学年で持つ子どもたちも増えています。デジタルの知識だけで言えば、多くの大人よりも子どものほうがたけている。ただ、子どもはデジタルの先にいる人間が悪人なのか、そうでないのか、見抜くための経験は足りません。そこは親の人生経験がものを言います。  たとえば、子どもがYouTuberの動画を見ているとき、一緒に動画を見て、どこかおかしいところがあれば、口添えをして気づかせてあげることも必要なのではないでしょうか。  また、親よりネットに明るいからと、フィルタリングを外したり放っておくのも問題です。たとえば、子どもが使っていそうなアプリは一通り入れて触ってみて、子どもが何かあったときに相談しやすくする。子どもと一緒に勉強するくらいの気持ちでいることも大切です。できないのであれば、フィルタリングをかけて見守ることも必要でしょう」
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子どもが真っ先に見るのは親のアカウント
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