Gourmet

50年の歴史を持つ洋食屋の看板メニュー「豚の生姜焼き」の秘密

一流フランス料理店出身のシェフに師事

町洋食

GOTOOのランチメニューとサービスセットメニュー。一番人気は義彦シェフがこだわった豚肉生姜焼だ。肉のみ通常の1.5倍になる肉大盛りもある。セットにはライスとみそ汁がつく

 修業の仕上げは当時大塚で娯楽の中心地として名を馳せていたボウリング場。不思議に思うかもしれないが、当時は仕事帰りの団体客がボウリングを楽しみ、そのまま併設の宴会場に流れるという文化があった。真男さんはその宴会場に料理人として入ったのだ。  宴会場といってもそれはいわゆるホテルのバンケット的な、立食パーティなども催せる場所。料理長は一流フランス料理店出身のシェフだった。高度経済成長期の、なんとも典雅な世界である。  その料理長に師事した真男さんは、その後開店の際にも、さまざまなアドバイスや指導を受けた。それだけでなく料理長はお弟子さんを数人、開店スタッフとしてよこしてくれた。「後藤家の恩人です」と義彦さんは語る。

開店当時は庶民には少々縁遠い高級料理店だった

町洋食

カウンターのみからテーブル席もある形に。カリスマシェフ、マリオ・バタリのイタリアンレストランの雰囲気をもとに、デザインを決めた

 そうやって’71年に開店したGOTOO、当時はカウンターのみの造りで、そのボウリング場の典雅な世界を引き継ぐかのように紳士たちの社交場として賑わった。  女性一人で入るなどまず考えられない夜の世界。狭いカウンターキッチンの中には5人の料理人がぎっしり並んで腕を振るっていたという。現在のカジュアルなGOTOOからは想像もできない風景だ。  今も残るメニュー以外に当時どんなメニューがあったか尋ねてみた。そういう店であればメニュー数もひたすら多く、夜の紳士たちのわがままな要求に応えていたに違いないと思ったからだ。  義彦さんが回想するメニューは「仔牛の料理」「チーズとベーコンを挟んだカツレツ」「チキントマト煮」「フリカッセ」といったもの。思った通り、当時「フランス料理店」とは不可分で、庶民には少々縁遠い高級料理店であった「洋食店」ならではのハイカラなメニューが目白押しだ。  自家製生地の「ピザパイ」、スパゲティもナポリタンやミートソースだけでなく「モンブラン」の名を冠したベシャメルソースのものもあったそうだ。
次のページ 
「豚生姜焼のタレ」を巡って大喧嘩
1
2
3
Cxense Recommend widget

洋食GOTOO
東京都豊島区南大塚3-54-1
11~14時、17時30分~20時(ラストオーダー)※水曜はランチのみ、日曜祝日定休
現在の店舗は’01年に改装。イタリアンレストランを思わせるスタイルに

人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本

食べログ3.7以上の店を経営するプロも唸った! 有名チェーン絶品メニューのカラクリを明かす


あなたにおすすめ