では、Clubhouseはアメリカでどのように受け入れられているのでしょうか?
『フォーブス Forbes』によると、アメリカでは「Z世代のラジオ」「初のAirPods用SNS」「コミュニティ版ZOOM」などと例えられているようです。また、ホスト、モデレーター、オーディエンスで構成されるClubhouseのルームは、「ヴァーチャル・パネルディスカッション」のようだとも言われています。
小さい頃からディスカッション形式の授業などで鍛えられてきたアメリカ人には、もともと議論好きな人が多く、テレビの観覧番組やラジオ番組でも、フォーラムやセミナーでも、参加型を好む傾向が強い印象です。
90年代にはリスナー参加型のネットラジオ「Talk Radio」が流行りましたし、また「TED Talks」やSXSWなどカルチャー系イベントで行われるトークショーなどを見ても、ホストやパネラーがディスカッションし、そこに来場者が質問をぶつけていくタイプが受けています。

Clubhouseは、そんなディスカッション好きなアメリカ人の属性にぴったりハマったSNS。
同時に、パンデミック中で人との交流に飢えているリモートワーカーたちを中心に、見た目や誤字脱字に気を使わず、YouTubeのように編集作業をする必要もなく、思い立ったら今すぐに始められる「気軽さ」が受けたようだと、多くのメディアが分析しています。
まだまだ成長中のプラットフォームのため、一概にどの層に人気があるとは言い難いのですが、
AmobeeJapanの調査(※)によると、アメリカ国内での同アプリに関心のある層は、他のSNSと違って33~44歳の少し高めの年齢層に受けているとか。収入的には年収1000万以上、特に2000万以上の層に関心を集めているといいます。

(画像:Amobee Japan プレスリリースより)
利用者には起業家や政治家など、何かしら肩書の付く人が目立ち、人脈作りの場として利用してみたいと関心を寄せているビジネスパーソンも多いよう。『バッスル Bustle』をはじめ大勢の人々が、「LinkedIn(世界で7億人以上が利用するビジネス系SNS)みたいだ」と指摘しているのもうなづけます。
現在はIOSアプリのみに対応していますが、近日中にアンドロイド版もリリースされるとのこと。Clubhouseが本格的に流行るかどうかは、まだ未知数のようです。
Source:
「
The Conversation」「
The New York Times」「
The New York Times」「
Tech Crunch」
「
Forbes」「
Bastle」
※【分析要項】
・ソリューション:ブランド・インテリジェンス
・分析対象国:アメリカ
・分析対象期間::2020年4月13日ー2021年2月9日(特に明記ない場合)
・分析内容:『Clubhouse (クラブハウス)』に関するトピックの分析
・分析実施機関:Amobee Japan(アモビージャパン)
<文/橘エコ>
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アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。