「2度目のデートはランチに洋食屋さんに連れて行ってもらったんですよ」
その時に初めてYさんのマスクをとったところを見た麻耶さん。
「Yさんの口元、分厚い唇で歯並びが悪く…しかもクチャクチャさせながら食べる人で、私が子供の頃から生理的に無理なタイプだったんですよ。食事が終わると『ちょっと頭痛がするので』と嘘をついて帰りました」

一気に冷めてしまった麻耶さんは、友達に謝り倒し、じょじょにYさんと連絡を取る頻度を減らしフェイドアウトしました。
「結局、見た目かよ!と自分自身にがっかりしてしまって…もう誰かを好きになる資格なんてないと思い、婚活もやめてしまいました」
もし逆の立場で、自分がマスクをはずしたとたん、デート相手の男性に帰られたら、ちょっと立ち直れないですもんね。
「でも一生独りなんて嫌なんですよね」とため息をつく麻耶さんなのでした。
続いては、最初のデートの途中で帰ってしまったという女性の話です。
三上友美さん(仮名・31歳・派遣社員)は、昨年末頃から婚活を始めました。
「コロナ禍の今、人との接触も減り、今後世の中がどうなっていくのか不安な中で独りぼっちでいるのは寂しくて。支え合えるパートナーが欲しくてたまらなくなったんです」
とりあえず、いくつかのマッチングアプリに登録した友美さん。
「そしたら“ドラマ『深夜食堂』が好き”のコミュニティで良さそうな男性を見つけたので、いいね!をしたら、すぐにマッチングする事ができたんですよ」

それまでにも、何人かの男性とマッチングした事のある友美さんでしたが…。
「いきなり超長文で自慢話をひけらかすような自己紹介文が送られてきたり、『もっと全身のスタイルがよく分かる写真を見せて』などと一方的な欲求ばかりを言ってくる人ばかりで、私とちゃんと会話してくれる優しい人になかなか出会えなくて」
ですが、その男性Mさん(35歳・webデザイナー)とは深夜食堂のどの回が好きだとか、どの料理を食べてみたいかなど楽しく会話がはずみ、初めて会ってみようと思えたのだとか。
「Mさんは、ガッチリ体型だけどシャイなのか、あまり私をちゃんと見て話してくれませんでした。Mさんの行きたい場所に連れて行ってと言うと、なぜかホームセンターに連れていかれて…ん?となりました」