Gourmet

「どん兵衛」1メートルそばが話題。日清に聞いた、笑える企画連発の舞台裏

8分どん兵衛がヒット

――ユニークな「どん兵衛」の中でも、特に「ヒットした!」という商品は、どんなものがありますか? 木所さん 「最近の商品で好評だったのは、2020年11月に発売した『日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺』です。これまで培(つちか)ってきた麺の技術力とさまざまなノウハウを活かしながら、お店のうどんに近い食感を目指して、『どん兵衛』史上最も太い麺を作ろうとチャレンジした商品です。完成するまで100種類ほど試作しましたが、工場や研究所にとってもかなりハードルが高い商品でしたね」
2020年11月に限定発売した「日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺」

2020年11月に限定発売した「日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺」

――太さ以外に、普通の「どん兵衛」のうどんの麺とどう違うのですか? 木所さん 「小麦粉におもちのような特性を生み出す『もち小麦』を30%程度使用することで、もっちりとした食感を出しています。また、調理時間も『どん兵衛』史上最長の8分なんです」

黒歴史商品は自虐ノリはウケたけれど…

――おお、たしかに「8分どん兵衛」と話題になりましたよね。私も食べてみましたが、麺がもっちりで本当にお店のうどんみたいでした。ちなみに、ボツになった幻のどん兵衛はないのでしょうか……? 木所さん 「それが意外とないんですよね(笑)。いざ新商品を開発するとなると、さまざまな部署に協力してもらうことになりますから、絶対にボツにならないよう、ちゃんとした企画を出す責任があります。ただ、過去に発売したものの思ったように売れず、存在をなかったことにしたい商品を、「カップヌードル」「日清のどん兵衛」「日清焼そばU.F.O.」の各ブランドから『日清の黒歴史トリオ』(2017年)として再発売したことがあります。 『どん兵衛』は『日清のどん兵衛 だし天茶うどん』という天ぷら出汁茶漬けをイメージしたうどんを発売しましたが、自虐的なノリはウケたものの、肝心の商品は今回も売れませんでしたね…(笑)」
ノリはウケたけれど商品は…「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」

ノリはウケたけれど商品は…「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」

――黒歴史! そんなネタ的な発売の仕方もあったのですね。 木所さん 「他の会社がやらないようなことを、どんどんやってみようという社風なので(笑)。でも、こうした取り組みも『100年ブランドカンパニー』に繋がっています。次の世代のお客さまになる若年層に面白いと思ってもらえるような企画にチャレンジし続けていくということなんです」 ――消費者を飽きさせないさまざまな企画を発案してるんですね。最後に、今後の「どん兵衛」はどんな方向性を見せてくれるのでしょうか? 木所さん 「『どん兵衛』は今年で発売45周年を迎えます。アニバーサリーイヤーなので、和風カップ麺の『売上No.1』であることを前面に押し出しながら、この1年間をさまざまな商品やプロモーションで盛り上げていきます。驚くような企画も準備していますので、ぜひ楽しみにしていてください」  こだわりと遊び心を見せてくれると、今度はどんな商品を見せてくれるのか、と消費者としても売り場に行くのが楽しみになってきます。今後の「どん兵衛」も目が離せません! <文/関由佳> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
関由佳
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitterブログ
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