立ち上げを手伝ったルミさんは、知人のママ友にも声をかけた。興味を持ってくれた女性に仕事内容を説明してリクルートする。
A氏のルームには現在約30人の女性が在籍し、彼女たちが許容する内容やタイプによって「FANZAライブチャット」や「チャットピア」「マダムライブ」などに振り分ける。固定給はなく、男性側の課金額のうち、一定割合が彼女たちの収入になる。
「華やかな衣装に着替えるのも仕事の楽しみの一つ」とルミさん
最初のうちは、「激しいアダルトはちょっと」と二の足を踏んでいたような女性も、サービス精神がくすぐられヌードを見せるようになっていくとA氏は話す。もちろん無理強いはしない。
部屋には透けたブラウスや膝上スカート、タイトなワンピースなどの衣装が並ぶ。普段の生活ではもう着る機会がない彼女たちにとって、“変身”は楽しいようで、まるで少女のようにコーデを楽しんでいるのが印象的だった。
「将来のことを考えると、自分だけの内緒のお金を貯めておきたくて」
平日ほぼ毎日のように出勤し、「第二の居場所」になっていると話すのは、りかさん(58歳)。自営業の夫のサポートをしていたが、コロナ禍で売り上げが激減し、夫はイライラするように。大ゲンカに発展したことから「好きにさせてもらいます」と三くだり半を突きつけ、チャットレディとなった。
「離婚に発展するかどうかはわからないですが、将来のことを考えると、自分だけの内緒のお金を貯めておきたくて始めました。一日5~6時間働いて、月の収入は15万~17万円ほどです。夫はこの仕事のことは知りません」
りかさん(58歳)「60歳間近の私でも月収17万稼げます」
りかさんはこの仕事を始めて気づいたことがある。
「スーツ姿で電車に乗って澄ました顔をしている人も、上手に気分転換をしているんだろうなと、世の中の男の人たちの裏の顔を想像するようになりました(笑)」
こう笑顔を浮かべる彼女。今は夫の収入で生活しているため、ここでの収入は全額、りかさんのヘソクリとなる。離婚のことを考えると、この蓄えは心強い。
「『石の上にも三年』なので、続けて頑張っていきます」と、真面目にチャットに取り組むりかさん