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50代チャットレディの壮絶人生。コロナでも必死に生きる女性たち

ローンを返済しながら生計を維持

 昨年末で離婚し、晴れやかに再度独身としての人生を始めたのはさくやさん(50歳)だ。
チャットレディ

さくやさん(50歳)「このお仕事で借金を完済するのが目標です!」

「もともと介護施設でパートをしていたのですが、コロナでシフトが減ったのと、離婚したため、生活が苦しくなったので副業を探していました。離婚の理由は夫の浮気。7人も同時並行していたんですよ! 信じられますか?」  おどけた口調で話す。子供たちは独立し、教育費はかからないが、自身の生活費は必要だ。趣味の音楽関係でつくってしまったローンがあり、返済しながら生計を維持するのが当面の目標だと言う。 「最初の頃は、いきなり『会おう』と言われて恐しくなったこともありました。しかし、普段の生活では決して言われることのない『キレイですね』なんて言葉を、チャットではかけてもらえることが多くて。お客さまのひと言で心が優しくなれますね」  どんな苦境に立たされても、柔軟な姿勢でにこやかに乗り越えていける……そこにバブル世代ならではの逞しさを感じるとともに、「私はいい女だから」と自覚しているようにも見えた。そんな生命力の強さに、男性は勇気や元気を与えてもらえるのではないか。

子供の教育・親の介護と何かとお金のかかる50代

 38歳で離婚し『ゲスママ』などの著作を持つ作家の神田つばき氏はこう語る。 「実は私自身、シングルマザーになって生計のために始めたのがテレクラのサクラバイトでした。その仕事で私は、これまで隠していた自分自身を解放することができました。きっと、チャットレディの皆さんも、お客さんと一緒に非日常である“夢の時間”を過ごしているはずです」  一方で、50代の女性が抱える問題も多いと指摘する。 「学習塾や大学進学など、子供の教育に最もお金がかかる年代。加えて親の介護が始まって、老人ホームをはじめとした老後の生活にどれだけのお金がかかるのかを目の当たりにします。人間、タダでは死ねないのだなと、私もしみじみ実感しています」  定年を目前にし、稼げる時に稼いでおこうと必死になる50代。コロナ禍で職を失い、夫に秘密の仕事へ足を踏み入れたとしても、不義だと非難できる者はいない。
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コロナ禍でも稼ぐ海外セックスワーカー
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