仲のいい2匹を引き離せず…以心伝心な「保護猫兄妹」を家族に迎えて
引き離さず2匹とも迎えてよかった
ゆずなつさんは以前、ゆずちゃんが押し入れに入りこみ、閉じ込められてしまったときに、改めて2匹の以心伝心っぷりに感動したといいます。
「なつくんがずっと押し入れの前で待機していました。最初は特に気にしていませんでしたが、ゆずちゃんの姿が見当たらなかったので、まさかと思い、押し入れを開けるとぴょんと出てきて」
2匹はホッとしたような表情を浮かべ、寄り添い合い、長いグルーミングを開始しました。
「2匹とも鳴かなかったのですが、ふすま越しに心で会話していたのかなと思いました」
なにげない仕草からも、お互いのことを大切に思っていることが伝わってきます。
その絆を見守る上でゆずなつさんが意識しているのは、愛情が偏らないようにすること。なるべく同じくらいスキンシップをとったり、名前を呼んであげたりすることで、どちらか一方が寂しい思いをしないように配慮しています。ごはんの量やお水の飲み方なども観察し、健康面に不安があった時、どちらの不調なのか判断できるよう、心がけています。
「正直、初めは2匹も面倒を見られるのだろうかと不安もありました。でも、一緒だと日中のお留守番の寂しさが少なく、共に遊んだり、寒いときにはくっついて暖をとったりしているので、とてもお世話しやすいと感じています。引き離さずにお迎えして、本当に良かったです」
愛猫写真で他の保護猫たちの幸せも紡ぎたい
「自然体を撮影したいので、眠っていてもポーズを変えたりしません。かわいい仕草を見つけ、その瞬間を撮っています」 これまで撮影した中で一番心に残っているのは、ゆずちゃんがなつくんを抱きしめてグルーミングしていた1枚です。 「ゆずちゃんのことが大好きな、なつくんの甘えん坊な雰囲気と、なつくんのことを愛情たっぷりにグルーミングしてあげる、ゆずちゃんの優しさが出ていると思っています」 ゆずなつさんはこうした微笑ましい愛猫写真を通し、「保護猫」という言葉にある負のイメージを払拭したいとも考えています。 「最初はただ2匹のかわいさを伝えたいという思いで発信していましたが、今は“事情があって保護された猫でも愛情を受けて育てば、かわいい表情をたくさん見せてくれる”ということを伝えるため、愛猫たちを撮っています」
自分の発信により、保護猫に向けられる目が少しでも変わってほしい。そして、動物をおうちに迎えようと思ったときに「保護犬・保護猫」が選択肢のひとつとして頭に浮かぶ世の中になってくれたら……。そんな願いを抱きつつ、ゆずなつさんは今日もシャッターを切ります。
大切な相手のぬくもりを感じながら、伸び伸びと過ごすなつくんとゆずちゃん。2匹と似た幸せを多くの保護猫が掴めることを祈りたいものです。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
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古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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