
「いつもパピーと散歩している公園があるのですが、ほかにもワンちゃんを散歩させている方がたくさんいるんですね。それでここ数週間で見かけるようになった
柴犬らしきワンちゃんを連れた男性が私好みの爽やか系イケメンで、ついつい見てしまうというか。多分私よりは少し年下だと思うのですが、ドキドキしちゃって」
エミさんは公園で顔を合わせるようになったイケメン飼い主に胸をときめかせ、密かに癒やされていたのです。そしていつしかエミさんは、なんとなくそのイケメンを見ると結婚という二文字を連想するようになりはじめました。
「もちろん彼と結婚できるなんて思ってませんでしたが、それでも自分好みの彼を見ていると婚活で出会う方と比べてしまって。
チャンスがあれば…なんて甘い考えがよぎっているのは事実でした」

かすかな期待を胸に毎週散歩をしていたエミさん。そして突然その日はやってきました。普段と同じようにパピーの散歩をして公園のベンチで一息ついていたとき、あのイケメンが飼い犬に引っ張られエミさんの座るベンチに急接近してきたのです。
「彼のワンちゃんがパピーに興味を持ったようで、すごい勢いで近づいてきたんです。犬同士が挨拶しはじめたので私もと思って軽く会釈をしたんです。内心ドキドキでしたけど、彼も釣られるように会釈をしてくれてとても嬉しかったです」
普段は見ているだけの彼が目の前にいるという嬉しさでエミさんの頭はいっぱい。すると次の瞬間「
おいくつですか?」という優しい声優のような声がエミさんの耳に届いたのです。突然の問いかけに軽くパニックになるも、冷静に「
え?あっ、はい、、さんじゅうきゅうです」と少し上目遣いでゆっくりと答えたエミさんでしたが…