――スマホを見たことを告げるのは、なぜダメなんでしょうか。不倫の抑止力にもなりそうですが。
北川「夫が逆切れして、話の論点を変える可能性があるからです。『女の子に、会いたいってメールを送ったでしょ』と追及しても、夫は『
人のスマホを盗み見するなんて、人としてありえない』と怒ってきます。不倫している夫ほど、『
俺を信用していないのか』『お前のことは信用できない』とキレて、挙句『
冗談で送った』などと、ひどい言い訳で逃げ切るんです」
――完全に論点をすり変えられていますね。
北川「探偵に依頼して証拠をつかんだ、なんて言おうものなら、『俺は犯罪者か!』と激昂して、揉め事がさらに大きくなります。
探偵に依頼したというセリフが有効なのは、離婚前提で話を進めているときだけです」
――では、どうすればいいのでしょうか。
北川「まず、夫がどれくらい不倫相手にのめりこんでいるのか、状況を確認します。弊社では、不倫の深刻度を5段階にわけて説明しているのですが、夫がどの段階にいるのかを奥様とすりあわせるんです。」
◆不倫の深刻度5段階
レベル5⇒離婚
レベル4⇒別居・離婚を考える
レベル3⇒体も心も依存している関係
レベル2⇒性欲のみだが、継続した関係
レベル1⇒デートしたり、一夜限りの関係
※上にいくほど、再構築は難しい

――レベル1から上にいくにつれて、再構築するのは難しくなるんですね。
北川「レベル1が遊び感覚なのに対して、レベル3では不倫するために奥様に嘘をついたり、お金を要求するようにまでなります。この段階になると、『お前、料理がヘタだよな』などと、誰かと比べるような発言も出てくるんです。さらに、レベル4では、『自由になりたい』などの自分勝手な発言が増え、喧嘩時に離婚や別居をほのめかすようになります」
――たしかに、深刻度が増していますね。
北川「レベル5になると、夫自ら離婚届を用意して渡してくるなど、奥様が再構築を望んで動いても、どうにもならない状況になります。状況や奥様が今後どうしたいかを話しつつ、探偵会社としてできる証拠集めをしていきます」