彼氏との同棲に反対。なのに「どうして39歳にもなって独身なんだ」

ほぼ外出はしないという遠藤さん。上京後は派遣会社に登録したが、面接に行く気力がない
高校は父の言うとおりに進学校へ通った遠藤さん。ただ、どうしても教員にはなりたくなかったため、大学は実家から通うことを条件に希望する学部への入学を許してもらった。卒業後は、地元で営業事務の仕事に就き、両親に言われるがまま実家暮らしを続けた。
「35歳のときに、当時付き合っていた彼氏と同棲したいと話したら、母から反対されました。それから彼とは疎遠になり自然消滅です。それなのに、昨年『どうして39歳にもなって独身なんだ。近所に恥ずかしいから、早く孫の顔を見せてくれ』『独身で不安定な身なのに、なぜ教育学部に通わなかったんだ』と、両親揃って急に私を責めだしたんです。そのとき初めて、親の話をまともに聞いていたらダメだと気がつきました」
遠藤さんは黙って荷物をまとめ、単身東京へと向かった。しかし、自由の身になって初めて、自身に異変が起きた。
「他の同級生は自分の意思で夢を叶えたり、家庭を持ったりしている。ただ両親の言うことだけを聞いていた私は、何ひとつ手に入れられなかった。自分の人生ってなんだったのだろう……。怒りと悔しさで夜は眠れず、逆に昼は力が湧かず部屋から出られません」
長く実家暮らしだったため、幸い貯金は1000万円近くある。遠藤さんは今、精神に失調を抱えながらも、自分の歩むべき道を見つけようと暗中模索している。
―[急増!]毒親してる人―
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!4月27日発売号の特集「[急増!]毒親してる人」より