どうしてナプキン買えないの?日本で“生理の貧困”が起きる理由。支援者に聞く
生理のある人だけでなく、すべての人が考えるべき
個々の意識が社会を変えることにつながる
――さまざまな生理の問題が顕在化されているなかで、私たちができることはありますか?
尾熊:生理に対するタブー視や、生理の貧困の問題について知るだけでも意識が変わることにつながると思います。実際に、スコットランドではすべての女性に生理用品が無償化され、イギリスでは高校までの学校に生理用品が無償提供をされたり、多くの人が意識を変えて行動することで国が動くきっかけとなりました。
実際に活動を通して、生理に関する知識がない方の理解を得るには時間がかかると感じています。しかし、最近では、生理についてメディアやニュースで取り上げられていて、意識が変わったというケースも目にします。そういった影響力のある媒体が発信することで、問題意識のない人や興味のない人にも自然とリーチしていけるのかなと思います。
――レッドボックスジャパンを通してどのような社会を目指していきたいですか?
尾熊:最近では国内に留まらず、海外からもウェブサイトを通して寄付をしていただいています。生理の貧困について発信をしていくうちに、同じ経験をした人や現状を変えていきたいとの声がSNS上で多数寄せられるようになりました。影響力を広げていけば、批判的な意見も出てくるのは当たり前だと思いますが、賛同できる方の声をもとに問題解決に向けた活動を続けていきたいと思っています。
学校に安心して通い、学生が個々の能力を最大限に発揮できる環境をつくっていきたいです。学生はその先に進学や就職があるかと思いますが、生理に関する共通認識を持っておけば、新しい環境で過ごすうえでの一つの指標となりますし、今後の女性の働きやすさにつながると思います。
<取材・文/Honoka Yan>山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
Instagram :@honoka_yamasaki
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