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どうしてナプキン買えないの?日本で“生理の貧困”が起きる理由。支援者に聞く

生理のある人だけでなく、すべての人が考えるべき

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学校での講義の様子

――実際に行なった学校での取り組みについて教えてください 尾熊:生理用品の寄付をする際、中高生のみなさんにはレッドボックスの活動内容や目的、生理の貧困、生理用品の正しい扱い方などについてお話しています。生理の問題について、生理のある人の中だけで処理するのではなく、みんなが問題に対して一緒に解決してサポートしていくという姿勢や認識を持つ人が増えればいいなと思っています。  また、生理用品の選択肢の幅を広げることを目的に、タンポンやナプキンなど、さまざまな生理用品の中から好きなものを選んでもらっています。生理用品を見たり触ったことのない男子生徒、タンポンを使ったことのない中高生など、最初は恥ずかしそうな様子を見せていましたが、お話をする中で興味を持つ生徒が多かったです。また環境問題に通じる話もしています。 ――環境問題とは具体的にどのようなことでしょうか? 尾熊:イギリスの環境問題を例に出すと、生理用品に関する知識がなく、どう捨てていいのかわからず、タンポンやナプキンをトイレに流してしまう人が6割いるといわれています。水に溶けない生理用品はトイレに流すことによって水道管を詰まらせる原因になります。さらに生理用品が下水に溜まることによってファットバーグ(油の塊)の一部となり、下水を塞ぎ道路や自宅に汚水が逆流する危険性を高めます。この油の塊の除去費用に毎月1.8億円かかっているというデータも水道大手テムズ・ウォーターによって出されています。最終的に海に流れつくことによって、海洋プラスチック問題となることも。生理用品のプラスチックゴミは海で5番目に多く見られるともいわれています。 ――捨て方についての教育も重要なんですね。 尾熊:そうですね。正しい捨て方を教育するために「ファブリトルバッグ」と呼ばれる生理用品廃棄用バッグの寄付もしています。燃やしたあとも自然に還る素材から作られていて、サニタリーボックスがなかったり、誰かの家で生理用品を捨てづらいときにも活用できる商品です。  自分の身体を大切にし、相手を思いやること、環境の配慮をすることの一連の流れを知ることで、生理について考える人が増えていけばいいなと思っています。

個々の意識が社会を変えることにつながる

image1――さまざまな生理の問題が顕在化されているなかで、私たちができることはありますか? 尾熊:生理に対するタブー視や、生理の貧困の問題について知るだけでも意識が変わることにつながると思います。実際に、スコットランドではすべての女性に生理用品が無償化され、イギリスでは高校までの学校に生理用品が無償提供をされたり、多くの人が意識を変えて行動することで国が動くきっかけとなりました。  実際に活動を通して、生理に関する知識がない方の理解を得るには時間がかかると感じています。しかし、最近では、生理についてメディアやニュースで取り上げられていて、意識が変わったというケースも目にします。そういった影響力のある媒体が発信することで、問題意識のない人や興味のない人にも自然とリーチしていけるのかなと思います。 ――レッドボックスジャパンを通してどのような社会を目指していきたいですか? 尾熊:最近では国内に留まらず、海外からもウェブサイトを通して寄付をしていただいています。生理の貧困について発信をしていくうちに、同じ経験をした人や現状を変えていきたいとの声がSNS上で多数寄せられるようになりました。影響力を広げていけば、批判的な意見も出てくるのは当たり前だと思いますが、賛同できる方の声をもとに問題解決に向けた活動を続けていきたいと思っています。  学校に安心して通い、学生が個々の能力を最大限に発揮できる環境をつくっていきたいです。学生はその先に進学や就職があるかと思いますが、生理に関する共通認識を持っておけば、新しい環境で過ごすうえでの一つの指標となりますし、今後の女性の働きやすさにつながると思います。 <取材・文/Honoka Yan>
Honoka Yan
23歳。モデル/ダンサー/ライター/記者。タブーについて発信する日本のクィアマガジン「purple millennium」編集長。LGBTQ当事者。Instagram :@honokayan
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