1度だけの不倫相手に執着してしまう47歳女性の胸中「最後の恋だから」
独身既婚を問わず、人は恋をするときにはしてしまうものだ。ただ、30代と40代では恋をしているときの気持ちが違うと話す人もいる。

「20年ぶりの恋だったんです。私もまだ、人を好きになってときめくことができる。それがうれしかったし、彼を離したくないと思っていました」
サトエさん(47歳)は、しみじみとそう話してくれた。25歳のころからつきあった彼と27歳で結婚、18歳を頭に3人の子に恵まれて「世間的に見れば」幸せな家庭を営んでいたという。
「子どもたちには常にカリカリさせられてきましたけど、今となってはそんな時代も楽しかった。夫との仲はごく普通です。家族として大事な人ではありますが、もう心ときめく対象ではありません。
とはいっても、私は心ときめく対象を求めていたわけではないんです。家庭をもってパートですが充実した仕事もあって、趣味もあって友だちもいる。親の介護がそろそろ気になる年代にもなり、平凡だけど幸せだとずっと思っていました」
そんな彼女に“心ときめく対象”が出てきてしまったのが運命というものなのだろうか。10年間、続けているパート先に3年前、新たな上司が異動してきた。サトエさんより3歳年上、夫と同い年だった。
「親切で穏やかで、器が大きい人なんです。うちの夫は細かいことでグチグチ言うタイプ。比べてみても、素敵な男性だなと思っていました。スポーツマンだから夫と違っておなかも出てない。自分を律することのできる人なんでしょうね」
サトエさんは、その上司に認めてほしくてがんばっていた。好きな人に認めてほしい。恋の基本なのかもしれない。
「部署の飲み会などがあると、上司はパートや契約のスタッフも誘ってくれるんです。前の上司は社員だけと区切ることが多かったので、新しい上司は人気でした」
上司はスタッフとの会話も重視していた。ある飲み会でサトエさんの隣に座った上司は、「あなたは会社に不満はありませんか」と聞いてくれた。飲み会の場だから言いやすく、給料のことや仕事の振り分けなどについても進言すると、熱心に聞いてくれたという。
「そんなことから私はパート代表みたいに上司から思われ、いろいろ話し合って、パートが仕事をしやすいようにシステムを変えてくれたりもしました。徐々に身近な人になっていった気がします」
だが、ふたりとも既婚である。一線を越えるところまではなかなかいかなかった。
帰る方向が同じだったので、飲み会が終わるとふたりはよく同じ電車に乗った。サトエさんのほうが早く降りるのだが、あるとき、彼はサトエさんと一緒に電車を降りた。
「もう一杯だけつきあってよ」
そう言われてうれしかったという。駅前のバーで軽く飲み、上司はさらりと立ち上がった。
「しつこくないのがいいんですよね。外へ出て、ちょっとぶらぶらしようかと歩いていると、彼がいきなり立ち止まって私の腕をつかみ、建物の陰に隠れて抱きしめてきたんです。気づいたらキスしていた。彼はそのまま駅へと小走りに去っていきました」
自宅への帰り道、彼から連絡が来た。
「急にごめん、でも気持ちを抑えきれなくて、と。私も同じですと返しました」
その1ヶ月後、ふたりはホテルへ行った。彼が異動してきてから1年半、親しくなって1年たっていた。
「うちは長年のセックスレスですから、不安もありました。いざというとき、彼が『お役に立てるかどうか……』と苦笑いしたので、私だってと言ってふたりで笑って。でもそれでリラックスできたせいか、うまくいきました(笑)。とても素敵な時間だった。もう一度、独身に戻ったような、きらきらした気持ちがよみがえってきたんです」

※画像はイメージです(以下、同じ)
久しぶりの「恋」に心ときめいて
気づいたらキスしていた

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