実際、今回の報道前から、オザケンがPORINと思しきアーティスト「Pii」の「カキツバタ」をカバーしたり、また、一時PORINと同じく髪の毛を青く染めたりしていたことも、答え合わせみたいで気味悪いという声もありました。
ああ、文春砲さえなければ見事なプロモーションになったのに。
そんなわけで、Mステスペシャル後の楽屋で収録された、オザケン&PORINのセッション動画「
失敗がいっぱい」を見ると、これがまた表現に困る代物でした。
終始冷静な目つきで、事を荒立てないように歌うPORINの横で、なにやら内側からたぎるものを抑えきれない雰囲気のオザケン。クールなギター演奏を披露しつつ、表情筋をこわばらせて破顔しないように努めているかのよう。セッションと呼ぶには、ちょっと2人のテンションに差があるような。
そして、キモは動画のラスト。曲が終わるや、PORINが営業スマイルとともに“うわぁはーん”と猫なで声を発するのです。ってか、これ接待だろ!?
もちろん、違法行為ではありませんし、むしろエンタメの世界では古今東西繰り返されてきた光景なのかもしれません。
しかし、同じことだったとしても、納得感があって受け止められるか、キモいと思われるかでは、天と地ほどの差があります。
今回、オザケンは残念ながらキモいとジャッジされてしまった。その理由は、加齢だけでは説明がつかないことのように思うのです。
<文/音楽批評・石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter:
@TakayukiIshigu4