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介護士が見た、自殺に失敗した人の“その後”。「寝たきりは、想像する姿と違う」<yuzuka×よしむら香月 前編>

寝たきりになった患者さんへの介護

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筆者・yuzuka

yuzuka:実際に自殺を図ったことで寝たきりになった患者さんには、どのような介護をされているのでしょうか。 よしむら:いわゆる植物人間と呼ばれる状態では、患者さんの自身の力では身体がまったく動かせません。なので、僕たちがお手伝いすることの中に、まずは排泄介助があります。おむつに定期的に排尿や排便があるものを、僕たちがきれいにする介助です。 yuzuka:お部屋の中で排泄があると、廊下にまでにおいが充満します。そのにおいもそうですし、親族や知らない人にオムツを替えられるということ自体に激しい羞恥心を感じて苦しまれる患者さんも多いですよね。 よしむら:そうですね。排泄の処理の他には食事介助もあり、これは看護師さんにやってもらっています。お鼻から胃まで、マーゲンチューブという管を通して、そこに液状の食事を直接胃に注入します。  体位変換も欠かせません。寝たきりになると、寝返りも打てなくなるんです。そのままにしておくと、同じところに圧がかかってそこに褥瘡(じょくそう。床ずれ)ができたり、拘縮(こうしゅく)がひどくなってしまいます。それを回避するために、クッションを使って2時間に一度、身体の向きを変えます。

拘縮や褥瘡…寝たきりの患者さんの身に起きること

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※イメージです

yuzuka:拘縮や褥瘡も大きな問題ですよね。看護師をしていたので見たことがあるのですが、寝たきりの期間が長くなっていくと、筋肉や骨は硬くなりながら縮んでいき、身体はどんどんまるまって、動かなくなっていくんですよね。  だんごむしのような姿勢を想像すれば分かりやすいかもしれない。それを拘縮と呼ぶのですが、例えば折りまがったまま固まってしまった腕は、伸ばそうとしても、まったく伸びてくれないほどになってしまう。無理に負荷をかけると、簡単に骨が折れてしまうくらいです。 よしむら:オムツ介助のときに股関節を開いて洗浄するのにも苦労するほど、筋肉や骨が縮んで固まってしまっている方も多いです。顔も、口を開けたまま痩せこけてしまって……。よく床頭台に、 元気だった頃の写真が飾られてあったりするんですが、ふとそれを見たとき、面影がなくて驚くと同時に、切なくなることがあります。 yuzuka:多くの寝たきり患者さんが悩むことになる褥瘡(床ずれ)も、一旦ひどくなると、仙骨とよばれるおしりの骨の部分周辺に、拳が一つ入るほどの穴が開いてしまうこともありますよね。皮膚の中身がさらけ出された状態で膿が溜まっていますから、においは激しいし、穴の中までえぐって洗浄する必要があるので、きっと痛いんじゃないかなって思います。意識がある患者さんだと、いつも叫んでいたし……。
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寝たきりの自分を本当に想像できているのか?
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