よしむら:こればかりは、実際に見たことがない人は想像もできないことかもしれませんね。
yuzuka:吸引も毎日、毎時間の業務ですよね。痰の排出もご自身ではできなくなってしまうので、鼻や口から管を入れて吸い取るんです。これがおそらく苦しくて痛いんだと思います。ほとんど動かない人なのに、その時だけ苦しそうな顔をする人もいました。
看護師をしているとき、そういった状態の患者さんを多く見てきました。そしてたくさんの患者さんに言われたんです。「殺してくれ」「死んだ方がマシだ」と。その度に言葉につまりました。私にできることなんてほとんどなかったから。
寝たきりになっても良い!という人はたくさんいます。だけど、それは本当に正しくその姿を想像できているのだろうか? という疑問はあります。1年、2年、3年、いつか自然に命が尽きるまで何年もその状態が続くことを、本当に想像できているのかなって……。金銭的な負担も大きいですよね。
よしむら:金額は個々のケースによって異なりますが、長期の入院となればけっして「たいした額ではない」とは言えない金額ではないでしょうか。
yuzuka:もちろん自死を考える方全員が、ご家族の負担を心配できるような状況にはないと思います。むしろご家族が原因でそうせざるをえなかった人もいると思うから「実行した後のことなんて関係ない!」という人もいるかもしれない。
だけど、実際に自殺をされた方の現場に入られた特殊清掃の方のお話などを聞いていると、一概にそうとはいえないと思うんです。
最後まで、ご家族やご友人に、できるだけ迷惑がかからないようにとご準備をされて亡くなられる方が本当に多い。そういう人にとっては、もしも死に切れなかったときにそれだけの負担がご家族にかかるというのは、やっぱり知っておくべきことだと思います。
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脳死状態になることも…自殺を考える人に“もう一度だけ”あがいてみてほしい理由<yuzuka×よしむら香月 後編>
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<取材・文/yuzuka>
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『自殺を考えている人へ』(提供:よしむら香月さん)※タップで次の漫画が読めます。
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1コマ目は2018年度の「自殺で亡くなった人数」(警察庁発表)と「自損(自傷)行為による救急搬送人数」(消防庁発表)をもとによしむらさんが概算したグラフ