「性格的に凝り性なところがある夫は、キャンプだけじゃ飽き足らなってきたのか、最近は『ログハウスを建てられたらいいよね』なんて言い始めちゃって。ウチの山は家とかを建てられる土地じゃないのに自分でいろいろと調べて、『小屋サイズの建物やトレーラーハウスなら大丈夫!』なんて言う始末。
私自身はその辺の知識がないため、本当に可能なのかはわかりませんが、将来はあの山に引っ越したいと本気で言いそうな気がして。子供のことがあるのでしばらくは平気だとは思いますが、老後に移住したいと口にする可能性は十分ありそうなので」
秀美さんも老後は田舎でのんびり暮らすのも悪くないとは考えていますが、実家の山はあまりにヘンピな場所ゆえに仮に移住を提案されても反対するつもりとか。ログハウスについても家計を預かる立場として認めるつもりはないといいます。
「我が家はごく普通の中流家庭です。家のローンだってまだ20年近く残っているし、子供の養育費だってこれから成長するにつれて出費はもっと増えていきます。キャンプ料理のことをホメていたから本人も勘違いしちゃったのかなぁって。冷静に考えれば、そんな余裕がないことくらいわかるはずなのに……」
夢や希望をふくらますことは悪くないですが一家の大黒柱である以上、もう少し現実を見てほしいものですね。
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<文/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。