――センスの磨き方について教えてください。 亘「わたしはナオミ・キャンベルに恋したように、リンダ・エヴァンジェリスタに憧れて金髪にしたように、夢中になって好きなものに執着するところがあるから、そうすることによってセンスと言われる感覚を吸収したのかもしれませんだから素敵だと思う人のことを徹底的にマークしていったらどうでしょう。まずは真似から始めてもいいですし」 ――その憧れの対象を見つけるにはどうしたらいいでしょうか。 亘「好みは押し付けられないですからね。“いいな”という直感でいいと思います。上を見ておくといいですよ。そうすると勉強になるので。素敵な人はきっと良いものを身につけていると思うし、良いものを知ることは勉強になるし、質の差を見極められるようになるから大切なんです」 ――とにかくいろんな服を着てみるとか、雑誌を読むとか、パリコレを見るとかでも、自分の中でファッションの勉強にはなりますか？ 亘「アシスタントにも“もっと本を読みなさい”と言ったりするけど、ただ漠然と見ても頭には入っていかないと思うんです。興味がないのにコレクションを見ても何も感じ取れないかもしれないですよね。だからまずは好きだと思うターゲットを見つけること。それが手っ取り早いです。そのほうが説得力もリアリティもあると思います。 　膨大な商品があっても、自分の好みがわからなかったらその中から何を選べばいいかわからないじゃないですか。例えばBLACKPINKのリサがかわいいと思ったら、彼女が着ている服と似たアイテムを探すことができますよね。そうやって絞っていくべきじゃないかな」