「猫を飼いたい!」の前に伝えたい、猫との暮らしで起きること
脱走防止も飼い主の義務
一歩外に出れば交通事故や、野良猫の縄張り争いに巻き込まれる危険があります。無事に帰ってくる保障はどこにもないのです。脱走防止も飼い主の義務、ドアや窓の開け放しはくれぐれもやめましょう。我が家の猫は、網戸に止まった蝉に体当たりしました。幸い網戸ははずれませんでしたが、爪でひっかく猫もいるようです。夏の網戸にはご用心。
別れは必ずやってくる
また私事で恐縮ですが、我が家に来た時は3歳だった愛猫も今や10歳。人間年齢で還暦です。病院に通う回数も増え、現実的にお金もかかります。でも、それらをひっくるめてもやはり愛くるしい存在に変わりはありません。
猫を飼いたいあなたへ、最後に本書のこの言葉を。
「猫との暮らしで得てきたおだやかさとか、やわらかさとか、あたたかさとか、おもしろさといった幸せの数々は、全部返済の義務がある『前借り』なのだ。そして、前借した幸せを返済する唯一の方法が、『その猫を看取ること』なのだ」。
猫好きの人もそうじゃない人も、命の大切さをひしひしと感じる一冊です。
―小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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