コロナ禍で月収70%減になったウェブデザイナー女性。猫を飼い続けられず…
会社勤めの人と違って、収入が不安定な自営業者やフリーランス。その分、多くの収入を得る可能性もありますが、現在のコロナ禍ではそれも難しくなっています。
25歳のとき、それまで勤めていた広告制作会社を辞めて、フリーのウェブデザイナーとして独立した松山かえでさん(仮名・29歳)もコロナ禍で収入が激減。なんと一番の大口クライアントから経営悪化を理由に契約を打ち切られてしまったといいます。

「収入の7割がその会社からの報酬でした。一極集中はリスクがあるから何とかしなきゃとは思ってはいたのですが、仕事が忙しかったこともあり、新規の顧客獲得のための営業は行ってなかったんです」
それまでの月収は26万円前後でほぼ安定してましたが、大得意先を失ったことでわずか8万円に急落。フリーランスであることを怖さをこのとき初めて身をもって知ることに。
あわてて新規のクライアントを探そうとしますが、コロナ禍でどの会社や店舗も厳しい状況。ホームページのデザインは、こだわりがなければ外部委託せずとも素人でも作れるため、真っ先に経費削減の対象となる可能性がある部分です。当然、新しい取引先を確保して穴埋めしようという甘い考えは、すぐに打ち砕かれてしまいます。
「それまで単発や期間限定で取引のあった会社やショップに営業をかけてみましたが見事に全滅。仕方なくネットのアウトソーシングサイトに登録し、そこで新規の仕事を得ることはできましたが報酬がビックリするほど安かったんです。
サイトを通さずに個人に見つけてきた仕事なら、再び月収20万円台に戻すこともできたと思いますが、激安案件ゆえに12~14万円がやっと。断れば生活できないので拒否することもできず、その現実に今さらながら愕然(がくぜん)としています」
全体の仕事量は大口クライアントを失う前とあまり変わらないのに収入は半分。以前と同じ暮らしを続けていれば家計は破綻するのが目に見えており、生活レベルを落とさざるを得ませんでした。
「まず住んでいる家のグレードを落としました。家賃9万1000円の1DKのマンションから築35年の家賃3万7000円のワンルームアパートに引っ越し、住居費を削減しました。オートロックも付いてないところなので不安はありますが、家賃分だけで5万4000円も圧縮できたのは大きいですね」
さらに移動手段として使っていた車を下取りに出し、現在は自転車を利用。駐車場代を含めて、月2万円以上かかっていた車の維持費の必要なくなったといいます。
「最初は車を手放したら不便かなと思ったんですけど、持ってなければないなりに何とかなるなって。ただ、最寄り駅や大型スーパーまではちょっと距離があるので最初のうちは筋肉痛で大変でした」

写真はイメージです(以下同じ)
月収が26万円から8万円に
家賃が半分以下のアパートに引っ越し、愛車も処分

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