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女だって薄毛が心配…女性専用の発毛治療をガチ体験してみた

 20代の頃は、髪の量もハリもあったのに、年を重ねるごとにボリュームもなくなってきた。抜け毛が増えたし、地肌が透けて見えてる気も……。年齢とともにジワジワと増えてくる髪の毛の悩み。
シャンプー

画像はイメージです

「最近、髪のツヤもないし、ヘタってきて全体的に老けている気がするんです。毛量が減っているのも気になりますね。このままじゃ、いずれ薄毛になっちゃうかも…」  そう嘆くのは、女子SPA!のマスダ編集長(50代)。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

いま注目の「女性の発毛治療」を体験してみた

 世間でも、薄毛を気にしている女性は、意外と多いのです。 「薄毛に関する意識調査2021※」(リクルートライフスタイル)によると、全国の20~69歳女性・2万4966人のうち、自分が「薄毛である」と答えたのは8.0%。気になりだしたのは平均41.8歳との結果です。意外と早い!  また「薄毛でない」人でも、「不安がある」と答えたのが全体の25.8%も。つまり、薄毛の人+不安な人は、女性の3人に1人に上るわけです。  そして、女性専用の頭髪外来や発毛治療クリニックも増えているんです。  男性の薄毛治療なら聞いたことがあるけど、女性にも治療法はあるの? クリニックで何をするの?疑問はつきません。
無料カウンセリング

まずはスタッフさん(左)による無料カウンセリング

 そこで、髪にまつわるお悩みを解消すべく、マスダ編集長が治療を体験してみることにしました。向かったのは、女性の頭髪治療の第一人者・浜中聡子先生が院長をつとめる「クレアージュ東京 エイジングケアクリニック」(東京・有楽町。以下、クレアージュ東京)。発毛治療の現在をレポートします。

まずはカウンセリングで悩みを打ち明ける

 受付をすますと、まずは女性スタッフによる無料カウンセリングです。こういったクリニックでは、最初に無料カウンセリングがあることが多いです。 「40代以上の患者さんが多いですが、最近は20-30代の方も増えましたね」とのこと。
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問診票。生活習慣や「頭髪の気になるところ」を記入

「髪が細くなってペタンコ」「美容師さんに10円ハゲがあると言われた(泣)」などなどグチりながら、問診票を記入。スタッフさんから、頭髪悩みの原因や薄毛の種類などレクチャーや、治療の流れや費用の説明を受けました。  クリニックでの治療は、「育毛」「脱毛防止」レベルではなく、ズバリ毛を生やす「発毛」です。発毛効果のある成分として処方されるのは、「ミノキシジル」。日本の厚労省を含め、世界で認可されています。  クレアージュ東京の処方には、ミノキシジルの塗り薬(外用薬・月16,500円)と飲み薬(内服薬・月27,500円)があるそう。強力な発毛効果を求めるなら、塗り薬+飲み薬(月33,000円)など(いずれも税込み・再診料込み)。健康保険がきかない自由診療なのでなかなかの出費ですが、ヘッドスパ1回で1万円とか使うよりはずっと効果的でしょう。
生え際

生え際も後退してきたような…

 この無料カウンセリングを聞いて、診療に進むかどうかを自分の心と財布に相談。カウンセリングだけで帰る人もいるそうです。
生え際と分け目を撮影

変化の記録用に生え際と分け目を撮影

マイクロスコープで頭皮をチェック

 診療に進むと決めたら、いよいよ、医師による診察です。薄毛治療のパイオニアの浜中聡子(さとこ)院長が、笑顔で出迎えてくれました。
浜中聡子先生

浜中聡子先生(撮影用にマスクを外してもらいました)

 浜中先生に髪の悩みを打ち明ける編集マスダ。おもむろに、15年前に撮った社員証の写真も取り出しました。
プロフ写真369増田 結香

15年前の写真。髪が多かった。。。

「もともとかなり髪の毛が多かったんですね~!」と浜中先生。  先生はマイクロスコープを手に、頭皮や毛根をチェック、モニターに大写しになる地肌の様子を、じっと見つめます。
マイクロスコープ

マイクロスコープで頭皮をチェック

「私の頭皮、どうですかね」  診察室の空気が、ほんの少し張り詰めます。 「今は、それほどシビアな状況とは考えられませんね」  笑顔で告げる浜中先生。あーっよかった!
目でもチェック

先生に頭皮チェックされると、なんだか癒されます…

「確かに昔の写真と比べると、ボリュームは減っていますが、まだ深刻な薄毛の心配はいらないでしょう。とはいえ、ご自身では色々気になることはあると思います。  女性の薄毛は、男性のようにこめかみや頭頂部、前髪といった特定の部分から薄くなっていくのではなく、頭頂部を中心に全体が均等に薄くなり、すだれ状に頭皮が透けてくるのが特徴なんです。他の人からはわからなくても、自分自身が『こんなはずじゃなかった』という違和感を抱いて来院する方も多くいますよ」  わかります……。あくまで髪の悩みは「当社比」なんですよね。こうやって第三者である先生に見てもらうことで、悩みも軽くなりそう。

処方されたのは、1日1回塗るだけの外用薬

 とはいえ、髪のボリュームダウンや抜け毛は気になるので、薬を処方してもらうことにしました。この日、処方されたのは、発毛促進薬「ミノキシジル(7%配合)」の外用薬と「プロスタグランジン製剤」外用薬
ミノキシジル(左)とプロスタグランジン製剤

ミノキシジル(左)とプロスタグランジン製剤(容器は今後変更になる可能性があります)

「ミノキシジルもプロスタグランジン製剤も、血流の低下を改善して発毛を促す成分で、広く薄毛の治療に使われます。特に薄毛治療に広く使われるミノキシジルは、患者さんの状態に合わせて配合濃度を変えて処方するんです」  ミノキシジルの外用薬は、頭頂部や生え際など、気になる箇所に1日1回、洗髪後ドライヤーをしたあとに塗布すればOKとのこと。強く揉んだりマッサージをする必要もなく、簡単なのも嬉しいですね。

守りの市販薬、攻めの処方薬

 よくドラッグストアでも育毛剤を目にしますが、病院で処方されるものとはどんな違いがあるのでしょうか。 「発毛と育毛は別モノです。市販で売っている医薬部外品の育毛剤は、いま生えている髪の毛の維持にアプローチするもので、いわば守りのスタンスです。 髪の毛を増やすといっても、なにも頭皮の毛穴の数を増やすわけでありません。そもそも、すべての毛穴から髪の毛が生えているわけじゃなくて、中には怠けて、あまり働いていない毛穴があるんです。 そういう怠けた毛穴に対して血流を改善して、髪の毛を増やすように働きかけるのがミノキシジルのような発毛剤。攻めのスタンスですね」  市販の発毛剤もありますが、「ミノキシジル1%配合」までしか認められていないのが、処方の外用薬は高濃度。7%、10%、12%、14%配合のを扱っているそうで、めっちゃ濃いですね(今後は、よりよいものにするため濃度が変更になる可能性があるそうです)。  クレアージュ東京では、約8割の人がミノキシジル治療をはじめて半年ほどで、効果を実感しているそうです。ただし、キープするには薬を続けないとなりません。
カウンセリング時に見せてもらった症例写真

カウンセリング時に見せてもらった症例写真

「1年から1年半飲むと効果も頭打ちになるので、それ以降は必要最低限度の量で維持していきます。  その他にも、髪の発毛に欠かせない栄養素である、亜鉛、ビオチン、ビタミンB群、ビタミンC、アミノ酸などのサプリを処方することもありますよ」
サプリメント

サプリメントを処方することも

知らないうちに進む頭皮の乾燥……保湿も取り入れて

 また、地肌を診察していた先生からこんな一言が。 「地肌の乾燥も少し気になりますね。本来、頭皮は青白いものですが、マスダさんの頭皮、ちょっと赤みがあって、根本もうっすらピンク色になっているでしょう? 今はかゆみや違和感は出ていないかもしれませんが、ひどくなるとフケの原因になることも。保湿ケアをすれば、トラブルも未然に防げますよ」
頭皮がピンク

頭皮がうっすらピンクなのは、乾燥しているらしい

 つい忘れがちですが頭皮も顔とつながっているのだから、保湿は必要なのは、もっともですね。 「『顔に使う化粧水を頭皮に使ってもいいですか?』という方もいますが、顔用の化粧水は、頭皮には不要な美容成分も多く含まれているので余計な刺激を与えてしまうことも。またベタついて、髪の毛のボリュームも損なうこともあるので、頭皮専用の保湿剤を使ってくださいね」

酒飲みすぎ!生活習慣も髪に影響する

 また診察では、問診票を見ながら生活習慣についてもアドバイスが。
診察

浜中先生は精神科出身。悩みごとも話したくなる

「うーん、お酒、毎日ですか(笑)」 「はい…焼酎を1日300ccは飲みますね」と答えると、先生からは次のようなアドバイスが。 「体内でアルコールを分解する時にビタミンが奪われてしまうので、飲みすぎると、髪のうねり、ツヤの低下などにつながることがあるんです。年齢と共にお酒の代謝も落ちているので、週に何回かは休肝日にしてみましょうね」

更年期も髪に影響がある

 また、50代といえば「更年期」。一番典型的な「ほてりやホットフラッシュ」症状はないものの、「寝ているときにグルグルと目が回ったり、ときどき気分が落ちたり。これって更年期ですかね?単に仕事のストレスですかね?」とマスダ編集長。 「じゃあ血液検査でホルモンの値をチェックしてみましょうか?更年期って、閉経の前後数年を指すので結構範囲が広くて、かなり個人差もあるんです。 更年期は薄毛にも関係します。原因はひとつではありませんが、おもな要因は、女性ホルモンの低下です。女性ホルモンのエストロゲンが低下することで、ヘアサイクル(毛周期)に変化が起こるんです」
血液検査

血液検査でホルモン値もチェックしてもらう

 さっそくこの日は血液検査を受けて、ホルモン値もチェック。後日、結果を受けて治療に反映していくそうです。

多くのクリニックでオンライン診療も

 髪の悩みから、血液検査までしてもらった診察はこれで終了。  髪というと白髪染めやトリートメントなど表面的なケアを重視してしまいがちですが、実は食事や睡眠などの生活習慣や加齢によるホルモンの変化など、あらゆる影響が表れているもの。髪にも生きざまが出るのですね。  今は、多くのクリニックでオンライン診療を取り入れています。今後は月に1度、オンライン診療を受けて、外用薬を6ケ月続けてみることになりました。6ケ月後に、髪と頭皮にどう変化があるのか、引き続き注目です! 【浜中聡子(はまなか・さとこ)先生】 北里大学医学部卒業。北里大学病院救急救命センター、亀田総合病院精神科、AACクリニック銀座院長などを経て、クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長。日本抗加齢医学会、国際アンチエイジング医学会専門医などの専門医。髪やエイジングについての著書多数。 ※「薄毛に関する意識調査2020」概要 (リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー) 調査対象:スクリーニング調査 全国の20~69歳 男性25004人、女性2万4966人      本調査 現在薄毛である&薄毛を気にしている2063人 調査期間:2021年7月8日~27日 インターネット調査 <取材/女子SPA!編集部・マスダ 取材・文/アケミン 撮影/市村円香>
女子SPA!編集部・マスダ
女子SPA!前編集長。腸活のおかげか風邪ひとつひかない50代。映画、寺、植物園、ピアノが好き。家族は男の猫と人
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