――高坂も佐薙も、それまでの自分を否定してきましたが、変わっていきます。

『恋する寄生虫』より
林「自分にずっとこびりついていた拭い去りたかったもの、克服したかったものが剥がれ落ちていったと同時に、自分に対して諦めとか否定的だった部分を、ちゃんと肯定できるようになっていきます。今、本当に苦しい世の中で、登場人物たちの孤独感とか、世間に対する疲弊感って、観る方も共感する部分が大きいと思います。
僕がこの物語から感じたのは、無理して自分が好きじゃない部分を克服できたからといって、果たしていいことばかりなのかということ。もう1回、自分に問いかけて、克服することや自分を変えることで、あまりにも心に負担が出てくるのであれば、そこまで無理しなくていいんじゃないかと。
自分のいろんな面を肯定して、時に自分を甘やかしてあげて、自分の弱い部分に寄り添ってくれる人を大事にして、大切に過ごしていってもいいんじゃないか。そう僕自身感じましたし、みなさんにも感じていただけたらと思います」
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