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介護士が見た、自殺に失敗した人の“その後”。「寝たきりは、想像する姿と違う」<yuzuka×よしむら香月 前編>/2021人気記事BEST5

 2021年1~11月、女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとにBEST5まで紹介します。こちらは、「社会・生き方」ジャンルの人気記事です。(初公開日は7月14日) =================  越えられそうにない夜を、過ごす人がいる。
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※イメージです

 世の中に絶望して、生きることを放棄したくなっている人が、この日本では、あとをたたない。  2020年、日本の自殺者数は11年ぶりに上昇し、前年を上回る2万1081人になった(4.5%増)。男性は前年より23人減ったのに対して、女性は935人も増えて7026人が自ら命を絶った。コロナの影響や、著名人の相次ぐ自殺も原因となっていると見られている。これは、異常事態である。

終末期病棟で働く介護士が見たものとは?

 まだ希望を持つべき人たちが、次々に命を絶っていく。厚生労働省は、「自殺はその多くが追い込まれた末の死だ」と、言い切った。  私は普段から、精神科で看護師として働いていた経験と、自分自身が自殺未遂をした当事者であるという目線から、自殺防止の啓発活動を行なっている。今回の企画では、この「自殺」について、さまざまな視点から掘り下げる。  特殊清掃員である小島美羽さんと対談した前回に続き、今回は「自殺を図ったが死に切れなかった人はどうなるのか」という部分について、実際に終末期の病棟で介護士をしながら、漫画家として活動をしているよしむら香月さん@tuki_no_kodomo)と対談した。 【前回の記事】⇒女性の自殺急増。それでも私たちは“死にたい気持ち”を肯定する<yuzuka×小島美羽>

Twitterに投稿された漫画「自殺を考えている人へ」

 対談のきっかけは、彼がツイートした『自殺を考えている人へ』という4ページの漫画だ。 「最近、ウチの病院に入院される方で若い患者さんが増えています。大体14、15歳くらいの思春期が多く、皆、意識がありません。つまりいわゆる植物人間。彼らは皆、自殺失敗者です」  と始まるこの漫画では、自殺を図ったが死に切れず、一生残る後遺症を負ってしまったり、脳死状態になってしまった人の、実状が描かれています。この漫画でよしむらさんは、「考え方やそれに伴う選択肢は十人十色」としながらも、「自損行為にはリスクを伴うことも知っていただきたい」と呼びかけています。 【漫画を読む】⇒漫画をタップすると次の漫画が見られます
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『自殺を考えている人へ』(提供:よしむら香月さん)※画像をタップすると次の画像が見られます

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1コマ目は2018年度の「自殺で亡くなった人数」(警察庁発表)と「自損(自傷)行為による救急搬送人数」(消防庁発表)をもとによしむらさんが概算したグラフ

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「自殺に失敗する」という可能性
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