森田望智がブレイクに今思うこと「終わるぞ自分!と思いながら…」
指名手配犯を見かけたと告げた翌朝に姿を消す、佐藤二朗演じる主人公・原田智と、その行方を追う彼の娘を描く『さがす』(テアトル新宿ほか全国公開中)。片山慎三監督の商業デビュー作であり、社会性も盛り込まれたサスペンスとなっており、公開直後よりさまざまな感想が寄せられています。
この注目作には、Netflixドラマ『全裸監督』で一躍注目を浴び、第24回釜山国際映画祭アジアコンテンツアワード最優秀新人賞を受賞した森田望智さん(25)も出演しています。
自殺志願者のムクドリ役に挑み、死を切望しつつもどこかそれだけではない想いも抱えた複雑な役を多彩な演技で表現しています。キャリア10年目の節目。さまざまな映画・ドラマに引っ張りだこの森田さんですが、「実感はない」と言います。胸中を聞きました。
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――台本を受け取ったとき、どのような感想を抱きましたか?
森田望智(以下、森田):最初はシンプルに、こういう物語を思いつかれたことにとても驚きました。自分が予期していない方向に話が進行したり、ワンシーンごとに印象に残る言葉が散りばめられていたりしたので、役柄を演じ切ることで、この世の中に存在するキャラクターになれるのではないかと思いました。そしてその面白い物語に自分が入れることがとてもうれしかったです。
――映画なのでフィクションなのですが、確かにリアルな人々でしたね。
森田:創作ではありますが「実在していたらどうなっているのか?」と思わせてくれるような、自分の生活感にすごく近いものも感じました。殺人鬼や自殺志願者も出てはくるのですが、そういうわかりやすい一面だけではなく、「その人たちも人間なんだよ」ということが演じる俳優によって変わってくるような台本だと思いました。なので、そういう役柄の幅というか、膨らみも素敵だなと思いました。
――自殺志願者のムクドリ役でしたが、演じる上で難しそうなキャラクターでしたね。
森田:想像しにくかったのですが、監督の中でムクドリのイメージになる方がいらっしゃったんです。その方のエッセンスだけお借りして、そのままではないのですが、実在する人に寄り添って演じたので、想像以上のものをわたし自身も受け取れるなと実感しました。
――彼女については、どういう理解で演じたのでしょうか?
森田:自殺志願者ですが、本当は生きたい人だと思います。本当は誰よりも生きたい人だろうと。性格的なことで言うと漠然としていますけど、人間の心を失くした人間にはなりたくないと思っている人ですが、印象としてはあまり好意を持たれないような見え方になっていることが多いと思います。ムクドリさん自身の正義や真理があり、それを元に生きている人なので、良心みたいなものは忘れないようにしようと思っていました。
キャラクターに「自分の生活感に近いものを感じた」

「自殺志願者だけど本当は生きたい」役柄
