
出産した大原さんではなく、気絶した夫のほうが目立ってしまった何ともいえない出来事……大原さんは当時の心境を語ります。
「最高の夫だと思っていたのに、最悪でしたよ(笑)。でも、気絶するまで頑張って寄り添ってくれていたので、それにはかなり支えられました。今となってはいい思い出です」
そして出産時を撮影したビデオには、夫の姿もしっかり映し出されていました。
「途中から看護師さんがビデオを撮ってくれていました。新しい命が誕生する感動のシーンのはずですが、画面の端っこには倒れた夫の足が映り込んでいて、なんとも複雑な気持ちになりました。
夫によると、血を見た瞬間、冷や汗をかきそのまま意識がなくなったようです。私は、夫が父親学級のときに嘔吐までしていたことを知らなかったので、そのような心配はしていませんでした。立ち会い出産は気軽にするもんじゃないですね」
今となっては夫婦の間で笑い話となっていますが、なかには夫婦仲がこじれてしまうケースもあるよう……。
「この話を看護師さんとしたのですが、父親が気絶してしまうことは稀ではないようで、血が苦手なら無理に立ち会いはしないほうがいいとのこと。最悪の場合、妻側から離婚を切り出される可能性もあると言っていました。ですが、夫婦間は良好にいっています。今では育児にも積極的に参加してくれて、感謝しています」
今はコロナ禍で立ち会い出産ができない病院がほとんどのようですが、もし検討する場合は事前に夫婦間で慎重に話し合ったほうがよさそうですね。
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<取材・文/Honoka Yamasaki イラスト/ただりえこ>
山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
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