「今回は、奥さんのことも知っているんです。最初に仕事で出会ったのは奥さんのほうだったから。素敵な女性です。お子さんもいるし何もかも持っている。その後、偶然、夫のほうと知り合って私から誘惑しました。
彼は、私が妻とも知り合いだとは知らないみたい。バレるのは時間の問題かと思ったら、意外とバレていない。それだけ彼が私と本気だということなのかなと思っています」
スリルを求めているのか、妻より自分を女として上だと思いたいのか。彼女はしばらく考えていたが、どちらでもないと言った。

「スリルは結果的についてくるものであって、私が求めているわけではないと思う。離婚して一緒になってほしいと思っているわけでもないし、身も心も合う人だからちょっと貸してという感じですかねえ。
恋って長続きしないものだと思っているので、パッときれいな花火を見たいだけかもしれない。でも今回は続いてしまいそうな気もします。自分が何を求めているのかわからないんです」
仕事は多忙だが楽しい。不倫をしていることは内緒だが友だちもいる。ヨガにはまっていて、いつかインストラクターの資格もとりたいと考えている。同居している親はまだ60代始め。家族は変わらず仲がいいという。
「恵まれた生活をしていると思います。それなのにどうしてつきあう人が既婚者ばかりなのか……。自分でも謎です」
この先、自分がどういう人とどういう関係をもつのか、結婚するのかしないのか。先のことは何も決めていないしわからないとサヨコさんは言う。思い通りにならないのが人生だから、確かに計画をたててもしかたがない面もあるが、それでも「こうしたい」という思いはあるのではないだろうか。
「仕事では目標があるんですけどね。恋や結婚についてはノープラン。どこかおかしいんでしょうか、私」
おかしいとは言えないが多数派ではなさそうだ。一方で、恋や結婚にあくせくしていない女性がいるのも今の時代ならではかもしれない。
【他の回を読む】⇒
シリーズ「不倫、その後」の一覧はこちらへ
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
<文/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】