
「出てみると『美優さんにお世話になっていたのにすみません。とりあえずもう私の顔なんか見たくないと思うので会社を辞めます』と言っていました」
「契約途中なのに、どうやって?」と聞くと、F子さんは「『急に親が倒れて、介護が必要になった』と嘘をつきます」と慣れた様子だったそう。
「F子にKをとられて落ち込んでいると思われるのが悔しかったので『私、浮気する男に興味ないから、別に気にしないでKと付き合えばいいよ』と強がったら…」
「あはは、ありがとうございます!コロナで出会いがなかったので助かります」とF子さんに笑いながら返されて美優さんは驚愕しました。
「あまりのことにそのまま何も言わずに電話を切ってブロックしました。もうKもF子も、いなかったものとして生きていこうと思いました」
そうはいってもやはりショックから立ち直れず、しばらくは食事が喉を通らなかったそう。
「まず料理をする気が起きなくて。F子と料理をしたことや、Kと一緒に食べた記憶がよみがえってくるので」
美優さんは、趣味だった料理をほとんどしなくなってしまいました。
「今は時間も経ってだいぶ吹っ切れましたが、まだ料理をする気にはなれないんですよ。料理上手な新しい彼でもできたらいいんですけどね(笑)」
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<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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