「0円で生きる」達人が教える“節約をエンタメに変える方法”とは
所得の減少が続く中、世界的なインフレが日本にも波及。物価が上がり、稼ぐのも難しいとなれば、“カネを使わず貯金する”という選択が堅実だ。たとえ高収入でなくとも貯蓄はできる。世帯年収300万円台の節約・貯蓄術を紹介!
稼ぐか節約するか、貯蓄の手段としてどちらを主軸するべきか迷っている人もいるだろう。
『0円で生きる』の著者・鶴見済氏は、「昭和の頃までは“お金がない”という問題を解決する手段は、労働して稼ぐことが主流でした。しかし、この10年ほどは“お金を使わない”という解決策にシフトしています」と語る。
鶴見氏は著書のなかで、物品のシェアや人との交流を駆使した“お金をかけない生活術”を提案している。
「最近は若い人を中心に、単に安いものを買うという節約ではなく、環境への配慮や、シンプルに生きるために買わないという生き方を選択する人が増えている印象です。そうした生活のなかでは、SNSやネットを介した、“ゆるい繋がり”が欠かせない要素となっていくのではないでしょうか」
鶴見氏はこれまで、家庭菜園や道端で不要品をタダで譲渡する「0円ショップ」への参加など、さまざまな方法でお金を使わない生活を追求してきた。彼は、節約はエンタメであると唱える。
「たとえば、不要品を地元の人に譲渡できる『ジモティー』も、エンターテインメントになります。僕は不用品を渡す相手が見つかると、品物を渡すときはどんな人が来るのか、ちゃんと渡せるのか少しドキドキするんですよね。
そのスリルは、人が関わることなので、すごく面白い。ゲームや映画のように、カネを払って受動的にコンテンツを浴びることだけがエンタメではありません。むしろ、そうした受動的な楽しみには限界があると思っています」
物品のシェアなどを通して能動的に人と繋がることが、節約時代の楽しみと言えるのかもしれない。
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【フリーライター 鶴見 済氏】
東京都生まれ、東京大学文学部社会学科卒。『完全自殺マニュアル』(太田出版)、『脱資本主義宣言』(新潮社)など著書多数
<取材・文/週刊SPA!編集部>




