現場で働く保育士にも取材しました。幼児のマスク着用についての意見は――。
「低年齢の子どもたちにマスクの着用は難しいと思います。
大きい子のクラスでもきちんとマスクをしている子は数える程度で、マスクを食べている子もいればすぐに外してしまう子も沢山います。
少しでも風邪症状がある場合は登園を自粛してもらうなどの対策の方が、意味があるような気がします。もちろん簡単に保育園を休ませられない保護者の事情もあると思いますが…」(30代・保育士)

「マスクを嫌がっている子どもは多いです。
職場では着用をお願いしながらも『そりゃ嫌だよね』と思いますし、口元を覆われてかわいそうと思っています」(40代・保育士)
教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんは、2歳児以上のマスク着用については「成長・発達に歪みが出ることは明らか」と真っ向から否定。「子ども同士のコミニュケーション力も落ちるでしょう!」(2022年2月4日)と自身の
ブログで懸念をしています。
ある別の母親は、マスク着用で保育士さんの“余計な仕事が増えること”を心配していると話します。
「2歳の息子は今のところマスク着用を義務付けられていませんが、もし着けさせたら100%外すし、床に落とすでしょうね。1日に何度も。それを保育士さんにいちいち拾ってもらい、再度着けていただくんでしょうか。衛生面で問題がありますよね。じゃあ仮に、床に落とすたびにマスクを替えるとしたら、1日に何枚マスクがいるんでしょうね。
保育士さんにとっても、毎日何度もマスクに触らなくてはならなくなることは感染リスクになるのではないでしょうか。
そもそも、保育士さんには子ども一人ひとりの安全を見守るという重大任務があります。まだ小さな子どもの表情や顔色、様子を見て、おかしなところがあったらすぐに対処くださっています。マスクの着用状況を見たり行方を追ったりなんていう、意味のない仕事を増やさないで欲しい。マスクで顔が隠れるのは、情緒面に加えて、そういう意味でも心配です」(40代・2歳児の親)
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もちろん、正しく着用する大人のマスクが感染症対策に有効であることは間違いありません。また低年齢の子どもの場合でも、状況によって着用することが有効な場面もあります。しかし、熱中症や窒息などのリスクを考えた上で、低年齢の子どものマスク着用に関しては慎重に判断していく必要がありそうです。
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<文/瀧戸詠未>