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米津玄師は失速?「くだらない」を連発する31歳の壁

 Play Stationとの大型タイアップで期待された米津玄師の新曲「POP SONG」(2月7日配信リリース)が、伸び悩んでいます。  YouTubeのMV再生回数は2317万回(3月31日時点)と、「Lemon」(2018年3月14日リリース、総再生7.4億回)や、「感電」(2020年7月6日リリース、総再生1.8億回)などと比べて伸びのスピードが遅く、オリコンの初週ダウンロード数も両曲の2~3割。明らかに勢いを失っているのです。
米津@switch

雑誌『SWITCH』2月20日発売号はPlayStationの大特集。表紙は新CM曲「POP SONG」コスチュームの米津玄師

 髪をオレンジに染め、黒の衣装に青いタイツで臨んだ「POP SONG」のMVは、インパクト十分なのですが…。

職人芸のような仕上がり

 とはいえ、楽曲そのものはさすがの仕上がり。1920年代のアメリカのジャズ、チャールストンを彷彿とさせる軽やかなアレンジは新機軸。細かな譜割の上を綱渡りしながら、瞬間的な転調でわざとステップアウトするようなボーカルも、相変わらずスリルに満ちています。  少し目先を変えつつも、クオリティを保つバランス感覚は、もはや職人芸と言えるでしょう。  けれども、「POP SONG」を聞いた人の一部からは、“どれも同じ曲に聞こえる”とか“歌詞で「くだらない」と言い過ぎ”などの感想が聞かれました。一見、ただの言いがかりに思えるかもしれませんが、ダウンロード数などのデータと合わせて考えると、そうとは言い切れないものもある。コアなファンがいる一方で、少し飽きられ始めているのではないか。

“上手に出来た”感は何なのか

 実際、筆者も完成度に驚嘆する一方で、新しい試みをしているのに、なぜこうも聞き流せてしまうのかが不思議でした。イントロと映像のインパクトで“おっ”となっても、曲が終わる頃にはほっとしている。心地よいのだけど、後味がさっぱりし過ぎな気もする。厭世的なメッセージやダークなユーモアを込めたサウンドプロダクションよりも、“上手に出来た”方が勝ってしまうのですね。
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器用で失点がない
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