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ダウン症のモデルの母が語る夢、障がいがあっても夢をあきらめなくていい

昨年の夏の「TGC teen 2021 Summer」(東京ガールズコレクションティーン)のランウェイも歩いた、現在18歳のダウン症モデルの菜桜(なお)さんという女性がいます。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
菜桜さん

菜桜さん

 ダウン症は一般的に身体が小さく、他の障がいも併発していることが多いです。菜桜さんも多くの合併症があり、今も食道の下半分が動いていないので、定期的に手術を行い、その数はなんと40回にもわたるそう。そんな菜桜さんがなぜモデルになったのか、お母さんの斉藤由美さんにお話をうかがいました。

9歳のときにモデルデビュー、生き生きと歩く菜桜さん

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9歳のときにモデルデビュー

(左)斉藤由美さん、(右)菜桜さん

 当初、取材時に由美さんのみいらっしゃるのかと思っていたら、菜桜さんも由美さんと一緒に現れました。オシャレなチェック柄のセットアップ姿にくるんと巻いたツインテールに黒いリボンという出で立ちでとても可愛らしい格好をしています。菜桜さんが初めてモデルに挑戦したのは9歳のとき。最近では千代田区の障がい者のための広報誌の表紙のモデルも務めています。
ちよだボランティアマガジン特別号

ちよだボランティアマガジン特別号『Join+us』の表紙にも。

「この子を産んで、最初は染色体に異常があるということをなかなか受け入れられずにいました。でも子育てをしているうちにだんだん可愛くなってきて。それを見たとき、何かできることをこの子にやらせてあげたいなという思いが募りました。  それで、菜桜が9歳のとき、日本ダウン症協会のイベントでファッションショーがあると冊子に載っていたので応募したら合格して東京でショーをやることになったんです。本人としてはそれが本当に楽しかったようで。それまでは親と離れることもなかなかなかったのですが、生き生きとランウェイを歩いている姿を見て『またやらせたいな』と思いました。  本人もその時の動画を見て『やりたいやりたい』と言っていて。でも、静岡に住んでいるためなかなか東京に来て活動をすることができないままで諦めていたら、静岡市で障がい者モデルファッションショーがあるから出ないかとお誘いがあって、14歳のときにまたショーに出ることができたんです」

ウォーキングの練習も楽しんでやっている

 ショーに出るにあたって、ウォーキングのレッスンもあったそうですが、例えば「背筋を伸ばして」とか「目線をこっちに向けて」と言っても菜桜さんは言っている言葉の意味を理解できないので、先生が直接体に触れて動かしたり、細かな指導を行ってくれたそうです。そのようなレッスンはつらくなかったのかと聞いたのですが、菜桜さんはレッスンを楽しんでやっていたようです。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます  
ウォーキングの練習も楽しんでやっている

昨年出演した「TGC teen 2021 Summer」のウォーキング練習の様子。

 菜桜さんがモデルをやりたいと言ったときの由美さんの心境はどうだったのでしょうか。 「障がいのある子たちは自分で夢を見つけられる子はなかなかいないんですね。○○になりたいという夢を見つけたとき、親が少しレールに乗せてあげなきゃいけない部分があると思うんです。モデルのウォーキングを習い始めたとき、集中力も短いのでグダグダしちゃう難しい部分があって。でも、ショーの練習なんかは1時間みっちりやると言ってもやはり30分保てばいいかなというのが大変な部分でもあります。それで、『じゃあやめようか』と言うと『やだ、やる!』と、本人のやりたいという思いが強いんです」
2021年12月に大阪で開催された「レッセブまつり」

2021年12月に大阪で開催された「レッセブまつり」のViviOのファッションーに出演。

 また、菜桜さんはモデルの夢を応援してくれる先生に出会えましたが、学校によってはモデルをやるより将来の就労に向けて勉強をしなさいと指導されるケースもあるそうです。障がいがあると夢を持つことさえ諦めさせられる現状があります。
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障がいがあるから親子二人で夢に向かっていける
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