まず一番多いのが、洗いすぎ、というパターン。
上述のとおり、皮脂はある程度必要な存在なのですが、皮脂を悪者と思っている人は多く、朝晩と1日2回シャンプーをするなど、過剰に皮脂を除去しすぎてしまうケースです。
皮脂が除去されると、からだは失われた皮脂を補充しようと、逆に分泌を増やしてしまうこともあります。そのため、洗えば洗うほどベタつく、といった事態になります。
頭皮もお顔と一緒で、洗いすぎ、落としすぎはNG。皮脂は“天然保湿成分“のようなものなので、適度に分泌された状態で過ごしましょう。
皮脂や汗の分泌が多い男性ならともかく、女性であれば洗髪頻度は1日に1回で十分です。40歳を超えると女性はさらに皮脂分泌量が減るケースが多いので(男性はあまり減らない)、その場合には2日に1回でも良いくらいなのです。
逆の話になってしまいますが、「頭皮を洗えていない」というケースもあります。
シャンプー時に洗うべきは主に頭皮の汚れで、毛髪に付着した汚れはブラッシングやシャンプー時に泡が流れるだけで十分落ちます。
頭皮には1平方センチメートルに約200~300本の髪が生えていますので、密度の高いジャングル状態。その根元の毛穴周りを洗うには、しっかりと指先を頭皮に密着させて細かく丁寧に洗う必要があります。

シャンプーは髪をかきわけ、頭皮につける
それを念頭に置かず、シャンプーを髪の外側につけ、外側からワシャワシャと泡立てて流しているという場合は、頭皮や毛穴周りを洗えていないので、清潔な状態を保てているとはいえません。シャンプーは、手のひらで少し水を加えて泡立てた後、髪をかきわけて頭皮に直接つけ、頭皮を意識して洗っていきましょう。
<文・写真/毛髪診断士 元井里奈>