物を捨てられない人は、なぜ人生で失敗しがちなのか
リストラ、離婚、転職失敗、借金、自己破産……。「人生でハデに転んだ男性」の部屋に行って取材をすると、なぜか同じようなモノに出会うことがある。本人のせいではない失敗もあるはずだけど、不運を招くライフスタイルの共通点はやはりあるのだろうか?
そこで、上記のような経験がある30~40代男性100人にアンケートを取ってみた。もし、「彼氏(彼女)の部屋に全部あります!」なんて場合には、要注意かも?
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●「人生でハデに転んだ男」の部屋の共通点(※100人中)
・10年以上前に買った衣類をまだ着ている<77人>
・無駄に買いだめした水(飲料水)がある<56人>
・部屋が汚いので人を呼びたくない<42人>
・3本以上のビニール傘がある<33人>
・冷蔵庫に賞味期限切れの食品がある<31人>
・歯ブラシの毛先が広がったままだ<31人>
・壊れて使えなくなった家電がある<30人>
・ホコリをかぶったトレーニング・ダイエット器具がある<30人>
・穴のあいたパンツや靴下がある<25人>
・元カノからもらったプレゼントがある<15人>
・ブラウン管テレビを捨てられずにいる<12人>
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ここまで、「ハデに転んだ男たちのお部屋」を取材・紹介してきたが、偶然とは思えないほど共通する点がいくつもあった。
まずは、取材したほとんどの家で目につき、アンケートでも実に100人中50人以上が「ある」と答えた、「買い溜めた飲料水」。非常用とはいっても、飲料水や日用品のやたらストックするのは何を示唆するのか? 心理カウンセラーの三吉野愛子氏はこう分析する。
「不自然なほどにストックをする人は、それが役に立つかどうかより、『物がある』という状態が心の支えになっているんです。このタイプは予想外の出来事に弱く、人も物も自分の思いどおりにならないと気が済まない傾向があります」
そのストックも、賞味期限を過ぎてはただのゴミ。取材中、冷蔵庫内で黒ずんだ“何か”を何度も目撃した。また、「壊れた家電」や「ホコリをかぶったトレーニング器具」など、使わないのに捨てられない人も3割。
「どんな形であれ、『物を捨てられない人』は今の自分を適正に評価できていない人。新しい変化を恐れるこわがりな一面もある。『変わらないもの』があることが心の拠りどころになり、変化を恐れるんです。不安にとらわれ、人生の節目の波にうまく乗ることができません」(三吉野氏)
また、「『元カノからもらったプレゼントを捨てられない』という男性も危険」と、ビジネス書作家の大塚寿氏は指摘する。
「結局、物事をリセットできていないんですよ。こういう人は仕事もプライベートでも現実逃避をしたり、決断力のなさが足を引っ張ってしまいます」
捨てるタイミングに困るアイテムといえば、ビニール傘が定番だ。買ったはいいものの捨て時がわからず、玄関先の傘立てに何本も突き刺したままということも少なくないだろう。33%の男性が「3本以上持っている」と答えている。
「ビニール傘を3本以上持っている人は、先を見通す力がない証拠。予報や空を見ればだいたいわかるはず。なのに折りたたみ傘を持たずに、いちいちビニール傘を買ってしまうのは、先見力や予見力がないということです。行き当たりばったりで段取りの悪い人生を送っている可能性も否めない。マネー管理の点でもルーズな性格がうかがえます」(大塚氏)
⇒【後編】に続く http://joshi-spa.jp/118329
【三吉野愛子氏】
心理カウンセラー。個人カウンセリングのほか、TVや雑誌で企画監修を手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』
【大塚寿氏】
エマメイコーポレーション代表。ビジネス書作家。著書に『30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則 』『25歳からの社会人力』など多数
<ILLUSTRATION/Jirikaderabek>
― [人生でハデに転んだ男]のお部屋を訪問【9】 ―