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「コロナ給付金をもらえなかったので、納税のため借金まで」苦悩する性風俗店経営者

お客やキャストの信頼関係で乗り越えたから店をつぶせない

――コロナ禍で休業要請が出た際、どのようにして乗り切ったのですか? 「うちの場合、たくさんのお客様に助けていただけたおかげで、いまのところ乗り切れてます。 例えば、オンラインでキャストとお客様がメッセージのやりとりをしたり、ツールを使ってお話ができるようにしたり。対面しなくてもコミュニケーションが可能なコースを新設しました。これは評判が良かったので、現在では常設になっています。 他にも、以前から行っていた性感染症の検査結果を提示すると割引になる企画を踏襲して、新型コロナPCR検査割引を追加するなど、お客様とキャストにとって安全、安心な場所作りのための企画を打ち出し続けています」
独自の感染予防対策などの取り組みを行った。(画像:レズっ娘グループ公式サイトより)

独自の感染予防対策などの取り組みを行った。(画像:レズっ娘グループ公式サイトより)

――売上的にはどうだったのですか? 「当時は1通10,000円だったメッセージサービスが、1カ月で217回いったこともありますよ」 ――コロナ禍で直接触れ合えないことを踏まえると、それはなかなかの金額ですね! 「お客様もキャストを支えたい気持ちがあったんだと思います。これまでのお客様、キャスト、お店の三者の信頼関係があったからこそ乗り越えられたものではないかと。こういうことがあるから、お店を潰(つぶ)せないんですよね」

まさか裁判で業界に対し「不健全」という言葉が出てくるとは

――単刀直入に聞きますが、今回の判決には憤りを感じますか? 「もちろんそれはあります。僕たちは2007年から、業務の適正化や営業の健全化のためだと思って、誇りとプライドをもって風営の届け出をしてきましたから。 実をいえば、同性同士の風俗店では風営法は範疇外(はんちゅうがい)なので届け出をしているところは数少ないんですよ」 ――必須ではないのに、あえて届け出を出しているのには理由が? 「キャストとお客様両方の安心感に繋がると思っているからです。しっかりと健全にやってきたつもりなのに、それをまさか裁判で業界に対し『不健全』という言葉が出てくるとは……。 そうなると、届け出をすることに意味があるのかという話になってしまう。身元を晒(さら)すことにもなるし、事務所を借りるのにも制限がかかる。届け出を出さなければ、そんな面倒はありませんからね」 裁判所――届け出を出さない方が得をしているようにも見えます。 「そうですよね。メリットが実はない。だから、ここ最近も悪質店が増えているように感じるんですよ。アロマエステ店を偽装したマンションや店舗における、風営法違反のニュースを見かけることも増えてます。 悪質店はまず風営法の届け出をしていませんし、届け出していないとなると誰がどこで運営しているかわからず、地下に潜ることになります。 レズ風俗店に特化して言えば、求人で釣り広告的にレズ風俗店を掲載して、実際は男性向けの風俗店に在籍させる、講習と称して男性従業員が相手をするなんてパターンがあります。AVプロダクションに斡旋(あっせん)する違法業者も実際にあるようです」
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性風俗業が国家公認で差別を受けてもいい業種に
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