けれども、兄が沖縄から帰ってきた後、衝撃の事実が明らかになりました。本人の口から「
海で一度死にそうになった」と聞かされたのです。「ある日、海でマリンスポーツをしていたとき、沖に流されてしまって、必死で戻ろうとしたものの溺れそうになった。もうダメだ…と力尽きた瞬間に救助された」という話でした。
私たちが驚いたのは、
兄が溺れそうになったときと、姉が「部屋で見た」と言っていたタイミングがほぼ重なっていたことです。

幸いにも兄は無事だったので、死後に霊や魂が家に戻ってきたわけでもなければ、いわゆる心霊現象が起きたわけでもありません。どちらかというと「虫の知らせ」に近いと思うのですが、霊感が強い姉だけが異変を察知し、他の家族は誰一人として何も感じなかったというのが不気味です。
それに、部屋で兄を見たのであれば、「帰ってきたの?」と話しかけてもよさそうなものですが、姉は逃げるように立ち去った。やはりその光景は異様だったのでしょう。
私自身は霊的なものを見たことはありませんが、姉以外にも、怪奇現象を体験している知人や友人は少なくありません。実際、一緒に旅行した友人が、ホテルの部屋にいるときに「なんか変な気配を感じる。誰かに見られている」と言い出したことがありました。また、遊園地のお化け屋敷に入った後、「連れてきちゃったかな~。なんか体が重い」と訴えた人も…。

「おばけなんてないさ」。臆病な私は、怖い話を見たり聞いたりした後、冗談抜きでこの歌を心の中で何回も唱えています。心霊写真を見たとしても「きっとカメラの調子がおかしかったからだ」と考え、非科学的なことはあまり信じないタイプです。
とはいえ、毎年夏の終わりになると、何十年も前に起きたこの出来事をいまだに思い出します。そして、そのたびに、世の中には常識では考えられない現象が存在するのだと思い知らされるのです。
―シリーズ「怪談・ゾッとする話/不思議な話」―
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<文/青山文 イラスト/zzz(ズズズ)
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青山文
某放送局に勤務していたとき、いきなり思い立ってヨーロッパに語学留学。帰国後はウェブ業界に入り、現在は主に海外ニュースの記事を編集&執筆。ときどき話題の商品レビューや子育てにまつわる失敗談なども書いています。反抗期真っ盛りの小学生の息子と日々格闘中。