――俳優としてのターニングポイントはいつ頃ですか?
結木:大学生のときに、演出家の鈴木勝秀さんに出会ったことです。それまでは、この仕事で食べていきたいと思っていませんでしたが、鈴木さんの演出によってお芝居の楽しさに気づきました。その出会いがまさに俳優としてのターニングポイントだと思っています。
――何かこみ上げてくる手応えがあったんですか?
結木:役に対して考える時間や向き合い方ががらりと変わりました。
――永野芽郁さんと共演したカルピスのCMが、商品に相応しい爽やかな印象で、広く記憶されていると思います。一方で『SUPER RICH』での城戸役は、まさかの裏切り者で、多くの視聴者が驚かされました。結木さんが持つ爽やかな好青年のイメージとは裏腹な魅力的な役柄でしたが、ヒーローと悪役なら、どちらが演じていて楽しいですか?
結木:どちらも違う楽しさがありますが、二面性がある裏切り者の役は自分次第でギャップをみせられると思います。
――浩平役には二面性はないですが、彼の優しさにはレイヤーがありました。
結木:そうですね。一種類の優しさではなかったですね。
――『凪の島』は、結木さんにとってどんな作品になりましたか?
結木:浩平役を通して、年を重ねるごとにもっともっと素直に自分の思ったことを行動にしたい。力強さのある大人になりたいと思いました。
この作品は、観た方が、ほんとうにポジティブになれる作品です。あの島に暮らす人々には、それぞれ抱えているものがあり、それぞれのかたちでゴールをみつけます。そんな活力になったらいいなと思います。
【画像をすべて見る】⇒
画像をタップすると次の画像が見られます
<取材・文/加賀谷健 撮影/鈴木大喜 ヘアメイク/松田陵 スタイリスト/伊藤省吾 (sitor)>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
@1895cu