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『ONE PIECE FILM RED』のウタが「最強の夢女子キャラ」と言える5つの理由

理由2:もはやエピソード0だった

 そもそも、こうしたアニメの劇場版でのオリジナルキャラクターは、原作とは切り離され、その「作品内のみ」で完結するパターンも多い。だが、ウタはその範疇には収まってはいなかった。  何しろ、ウタは子どもの頃からシャンクス率いる赤髪海賊団の船に乗っていて、2歳年下のルフィとはたびたび「勝負」をして張り合っていたりする。登場キャラクターの「人格形成」あるいは「オリジン」にも絡んでいると言っても過言ではない立ち位置になっているのだから。  しかも『ONE PIECE FILM RED』と連動するエピソードが2週連続でテレビ放送されており、そちらでは原作の第1話よりもさらに前の出来事がほぼほぼ「エピソード0」「物語の始まりにウタがいた」と言ってもいいレベルで、映画本編の回想よりもさらに濃厚に描かれていたりもした。物語の発端から妄想することもある夢女子が身悶えすることも、また当然である。  ちなみに、原作の初期において、ルフィは仲間にしたいメンバーについて「あとコックとか音楽家とかさァ…」や「医者かーそれもいいな…でも音楽家が先だよな。だって海賊は歌うんだぞ?」などと言っていたこともあった(実際に音楽家の「ブルック」が8人目の仲間になる)。これが「ウタが幼馴染であることへの伏線だったんだ!」とファンが盛り上がっているのも、また面白い。  そして……こうした設定のフルコンボやエピソード0や伏線回収以上に、夢女子がウタに対してザワザワする、さらなる理由があったのだ。 ※以下からは『ONE PIECE FILM RED』の結末を含む重大なネタバレに触れています。観賞後にお読みください。

理由3:事前情報をはるかに超えた設定のモリモリぶり

 ウタは非常に強い悲劇性を持ったキャラクターだ。彼女は子どもの頃に実の親のように慕っていたシャンクスから裏切られたと信じ込み、しかもそれはシャンクスがウタのためについたウソであり、自分が大量虐殺者だった(実際は「ウタウタの実」を能力を持つがゆえに悪魔の「トットムジカ」が街を滅ぼした)恐ろしい真実も知るのだから。  さらに、ウタは「誰もが幸せになる新時代」を望み、そのために自身のファンどころか世界中の人々を自身の夢の中に永遠に閉じ込めようとしていた。そして、その計画は失敗し(明確には描写されていないが)最後にウタは死ぬ。  つまりは、「世界をも滅ぼしかねない強大なパワー」を持ち、それゆえに「歪んだ正義を実行」しようとして、「最後には死ぬ悲劇のヒロイン」という、蓋を開けてみれば事前に明かされていた以上の設定がモリモリだったのだ。
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理由4:悲劇のヒロインのために戦ってくれる!
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