“出る”と噂の山奥の駐車場にある停車禁止スペース。軽いノリで近づくと…
東京や大阪などの都市部と違って地方は若者たちが遊べる場所が少なく、おまけに閉店時間も早かったりします。そのため、夜中に遊ぶとしたらもっぱらドライブ。なかには地元で有名な心霊スポットや廃墟に行ったなんて経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
西日本の某県在住の主婦・原田杏奈さん(仮名・39歳)も専門学校時代や社会人になりたてのころは、週末に友人たちと深夜ドライブに繰り出すのが恒例に。心霊スポットと呼ばれる場所にも何度か訪れたことがあるといいます。
「04年か05年の8月の終わりごろだったと思います。当時よく遊んでいた専門学校時代の友達と金曜の夜、いつものようにファミレスで集まって『この後、どうしようか?』って話をしていた時、男友達の1人が心霊スポットとして有名な“ある駐車場”の話をしたんです。
廃墟のように不法侵入で通報されるリスクもなかったので『とりあえず、行ってみようか』って軽いノリで向かったんです」
そこは研修施設や散策用の遊歩道などが整備された大規模な森林公園。
郊外の山の中腹にあり、駐車場は24時間利用が可能。町の中心部からは30分少々で行くことができましたが民家などは皆無。幹線道路の県道だったものの山間部で深夜だったため、対向車もほとんど走っていなかったそうです。
「昔、その駐車場では焼身自殺があったとの噂があり、その部分だけが黄色い車線が引かれて駐車禁止になっていました。そんな話を聞きながら人気のない山道を走ってたからやっぱり怖いじゃないですか。
いざ駐車場に着いたら目の前に問題の駐車禁止スペースが飛び込んできたんです。運転手の男友達が『本当にあるじゃん……』とボソッと呟き、背筋がゾッとしたのを覚えています」
ただし、全員怖かったのか車を降りると、男子たちは気をまぎらわすように明るく振る舞ったとか。
斜線部分もちょうど正面に車を停めてヘッドライトで照らしていたため、よく見るとその箇所だけアスファルトが細かくひび割れているなど路面がボコボコ。それを見た男子のひとりが「やっぱり高温で焼かれたからこんな風になったのかな」と言い、それが妙に説得力があるように感じたそうです。
「後で冷静に考えてみると同じ専門学校なので理系の知識とかは全然ないはずですが、あのときは本当にここでそういうことが起こったんだと信じていました」

写真はイメージです(以下同じ)
友達グループで心霊スポットに行くことに
なぜか1台分のスペースだけ黄色の斜線で駐車禁止に

1
2