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中川大志24歳が小栗旬39歳と「鎌倉殿の13人」で互角に!大河ドラマ主演待望も

「真田丸」と同じく歴史物語の理想へ

畠山重忠は若さゆえの情熱で上の者を糺(ただ)そうとする役割ではなく、主人公の北条義時と共に人生を、戦場を歩んで来た者同士、自分たちの生きてきた道がこれでいいのか確かめ合うような、青春を振り返るような成熟したやりとりを演じることになった中川。実年齢の若さも相まって、畠山重忠を瑞々(みずみず)しさももったまま大人になった人物に作りあげたことが、第36回で多くの視聴者の心を動かしたのではないだろうか。 あまりに良すぎて、死ぬことが美談に感じてしまうところであった。 ほんとうは死で物事を解決するすることを美談にしてはいけないと思うけれど、史実で亡くなっているのだから仕方ないことだ。でも、もしかして畠山は死なずに義時を殺して彼が鎌倉を立て直して歴史が変わるかもしれないという、あり得たかもしれないもうひとつの世界を想像するほどの、わかっているはずの先がわからないスリルがあった。 それは歴史物語の理想であろう。結末がわかっていてももしかして変わるかもしれない領域に行く。同じく三谷幸喜の書いた大河「真田丸」がそうだった。その物語の展開に今年の大坂の陣は豊臣が勝つのではないかとネットを沸かせたものだった。

朝ドラ「なつぞら」で見せた柔らかさとスマートさ

中川大志は子役からキャリアを積んでいて、大河は子役の頃に出演して以降、今回が4作目。大河と並ぶ、NHKの2大人気番組のもうひとつ・朝ドラ「なつぞら」(19年)ではヒロイン・なつ(広瀬すず)の夫役を演じた。
「NHKウイークリーステラ 2019年8/16・23合併号」NHKサービスセンター

「NHKウイークリーステラ 2019年8/16・23合併号」NHKサービスセンター

この夫・坂場一久はたいそう頭の良い名アニメ演出家で、なつのアニメーターとしての資質を伸ばしていく役割を担った。このときもまだ21歳だったが理路整然と物事を考え、広い視野で作品づくりをする人物をスマートに好演していた。 この手の頭のいい役を演じる人はちょっと堅苦しく見えて、性格俳優的な雰囲気になってしまうこともあるのだが、中川はいい塩梅(あんばい)に柔らかさも持って演じていて親しみやすかった。
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時代劇も演じられる中川に大河主演も本気で期待
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