クセのない的確な表現と華をあわせ持ち、朝ドラのような昭和の香りのする番組、現代劇も、時代劇もバランスよく演じられる。まだまだたくさんの花を咲かせてくれそうだが、このなかで時代劇を演じられることは昨今、重要で(所作などもできる俳優がなかなかいないので)、大河主演も本気で期待したいところだ。
ちょうど、舞台で「歌妖曲~中川大志之丞変化~」(22年11月)に主演も控えている。演歌と演劇というような、昔ながらの商業演劇の小屋・明治座の座長をつとめるのも昭和と令和をつなぐ重要人物として期待されている証に違いない。

先ごろ、発表されたNHK の時代劇、ドラマ10「大奥」にも出てほしい。すでに出演が発表されている福士蒼汰と似ていると言われてきたことを逆手にとった役を見たいと女子SPA!編集者も熱い期待を語っていた。
◆『鎌倉殿の13人』第37回「オンベレブンビンバ」NHK総合ほか 9月25日(日)午後8時~

政子(小池栄子)、大江広元(栗原英雄)らと新体制を始動させた義時(小栗旬)は、泰時(坂口健太郎)を自身のそばに置き、強い覚悟で父・北条時政(坂東彌十郎)と向き合う。
一方、時政を蚊帳の外に置かれ憤慨するりく(宮沢りえ)は、娘婿・平賀朝雅(山中崇)を担いで対抗することを画策。三浦義村(山本耕史)を誘い、反撃ののろしを上げる。
北条家内の対立が激化する中、源実朝(柿澤勇人)は和田義盛(横田栄司)のもとへ…
<文/木俣冬 写真/©NHK>
木俣 冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『
みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:
@kamitonami