それぞれのペースで走行する中、志帆さんは彼氏とサイクリングを楽しみたくて、先頭を走る彼氏をうしろから必死に追いかけました。彼氏の隣を走っていたのは、Yさんでした。
「Yは彼と同期。一緒に出かける仲ですが、仕事ではお互いライバル意識があり、日頃からなにかとマウントの取り合いをしていたんです」
2人はサイクリングでもマウントの取り合いをはじめ、どちらが先にゴールするか競いはじめたそうです。

写真はイメージです。(以下同じ)
「『危ないしやめなよ』と2人に後ろから声をかけたのですが、聞こえていたのかどうか、まったく聞く耳を持たずで。抜きつ抜かれつの子どもじみた勝負が目の前で繰り広げられていました」
ゴール地点まであと数メートル。長い下り坂がはじまったところで悲劇は起こります。
「彼が先頭に出て、Yとの距離が徐々に開きはじめました。Yより先にゴールできる喜びから、
彼はどれくらい距離が離れているか確かめるため、走行しながら後ろを振り返ったんです」
志帆さんの彼氏はYとの距離を確認すると、優越感に浸り、満足そうな笑みを浮かべていたそう。しかし、志帆さんは「
前!」と叫びます。
「彼は後ろに気をとられていたため、カーブにさしかかっていることに気づいていなかったのです。彼が前を向いたときには時すでに遅し。ガードレールに激突しました」
Yとの距離を気にしていた志帆さんの彼氏は、カーブが近づいているのに気づかず。結果、ガードレールにぶつかってしまったそうです。