そして、孝弘さんの宣言どおり、九月、十月と、秋のあいだずっと孝弘さんの一人での図書館通いは続きました。

「これはいくらなんでも、おかしいなと思って……だって、孝弘は図書館が終わっているはずの時間からさらに遅く帰ってくるうえに、肝心の本は借りてこないんですよ。何かある、って思いましたね」
そこで、自家用車でこっそり孝弘さんのあとをつけることにした波留さん。孝弘さんは、普通に図書館に入っていったそうです。
「あっ、ちゃんと図書館を利用してるんだ、って安心しました。そのことが確認できたから、もう帰ろうとしたんです」
ところが、その直後に波留さんが目にしたのは、信じがたい光景でした。
「孝弘が、見知らぬ女性とものすごく親し気に歩いてきて……腕を組む勢いでした。二人はタクシーを使ってどこかに行ってしまったので、私はそのまま、車で二人を追いかけました」
すると、着いたのはいわゆるラブホテル街。
「そう、孝弘は不倫していたんです。車を降り、二人を問い詰めると、最初は二人とも言い訳していましたが、場所が場所ですからね(苦笑)。すぐにどういうことなのか、説明しだしました」