松本人志「演技力がないと…」キングオブコント評がすべて/元R-1ファイナリストが解説
暗転は「諸刃の剣」
――「暗転の多さ」についてはいかがでしょうか?ニッポンの社長について、松本さんから「やっぱり暗転をたくさん使うコントってなかなか難しいですよね」と話が出て、最高の人間のときも話題になっていました。 <暗転を使うコントは、昔からあります。効果的に使うことができれば、笑いは増幅しますし、暗転明けのワクワク感を煽(あお)ることもできます。 2時間のお笑いライブのなかで、1組くらいそういった芸人がいると彩(いろど)りが出ますし、観客の印象にも残りやすいですね。キングオブコントを、賞レースではなくネタ番組として観ている場合、そういう芸人がいてくれるとTVショーとしては楽しめる要素が増えると思います。 しかし、確かに暗転は「諸刃の剣」でもあります。うまくいけば上記のような効果はありますが、場合によっては、連続しないストーリーに「夢中度が落ちる」リスクはあります。 暗転したことで夢中度が落ち、冷静になり、脳内で次の展開を予想してパターン出しするのは、百戦錬磨の審査員にとっては、暗転の1秒もあれば十分かもしれません。 来年以降、暗転を多用する芸人は非常に少なくなると思われます。しかし、キスもそうですが、暗転も、臆(おく)せず挑戦していただきたいと個人的には思っています。他の人の逆を行くのがお笑いですから! この空気で、暗転もしくはキスを多用して、優勝したらメチャクチャカッコイイですよ!もっとも、今回のニッポンの社長や最高の人間を超える暗転を多用したネタ、いぬを超えるキスを多用したネタを生みだすのは、相当至難の業だと思いますが…。>



